Fashion★シゴトNEWS

2023.12.28

国内ブランドから外資ラグジュアリーブランドまで、販売職を一生の仕事にするためのキャリア像とは―― Sさんインタビュー

私たちクリーデンスは、アパレルをはじめとするファッション業界で販売員としてはたらく人が、これまで以上にやりがいをもってイキイキとはたらくことができる状態をつくるために「販売員価値向上プロジェクト」を立ち上げ、さまざまな取り組みを行っています。
今回は、国内ブランドからセレクトショップを経て、外資ラグジュアリーブランドでご活躍のSさんにお話を伺いました。

もくじ

自分自身の強みと弱みを分析し、転職を通じて経験を積み上げていった

はじめに、自己紹介をお願いします

高校卒業後からアパレル販売職として15年ほど従事し、現在は3社目です。1社目は国内ブランドで約8年、2社目はセレクトショップで約5年、そして現在は、外資ラグジュアリーブランドで2年目になります。

アパレル業界に入ったのは、昔からずっとファッションが好きだったというシンプルな理由です。地元の九州で色んなブランドに触れ、お店に足を運ぶ中で、販売員の方の接客スタイルや、接客の中で受ける言葉などに感銘を受けたのがきっかけでした。

地元で国内ブランドに入社し、しばらくして百貨店配属になったとき、各フロアに入っているラグジュアリーブランドに憧れの気持ちが膨らみました。いつかこういうブランドで通用する販売員になりたいと思いつつ、当時はまだ遠い存在に感じていました。その後、さらに販売員としての力をつけたいという思いから上京し、セレクトショップに転職しました。そこで蓄えた力を現職のラグジュアリーブランドで挑戦…ということで現在にいたります。

順当にアパレル販売員としてのキャリアの階段を登っていらっしゃいますね。1社目のときからラグジュアリーブランドをゴールとして考えていたのですか?

そうですね。漠然とですが、販売員を長く続けていくと考えたときに、ラグジュアリーブランドを経験することでキャリアの道が開けるんじゃないか、という思いはありました。

1社目の国内ブランドから転職する際に、ラグジュアリーブランドに挑戦しなかったのでしょうか?

1社目は自社ブランドの販売職だったので、「特定のブランドしか知らない」ことが自身の弱点だと感じていました。まずはもっと色んなブランドを知って、ファッションテイストもカジュアルからドレスまで幅広く理解して、その上でラグジュアリーブランドにチャレンジしたほうが自信になると思い、一度セレクトショップに転職しました。


お客さまのハートが動く部分をキャッチし、想定外のところからご提案していきたい

セレクトショップで5年経験を積み、現職のラグジュアリーブランドへ挑戦したきっかけは何だったのでしょうか?

自身の接客を通じて、顧客づくりのサイクルを生み出せるようになったことです。環境が変わっても販売員として通用するのではないかと自信がついたので、年齢的なタイミングも含め、フレキシブルにもっと挑戦していきたいと転職を決意しました。

当時はどれくらいの顧客を担当されていたのですか?

2カ月以内に再来店してくださる方を20名ほど担当していて、その方々と定期的にコンタクトを取り続けてご来店に繋げていました。加えて、半年や1年に一度、指名で来てくださる方が何組かいらっしゃいました。

どうやってそのサイクルを作られたのでしょうか?

「お客さまに対する理解をどれだけ接客の中で示せるか」を意識的に行うことです。深く理解した上で次の提案をし続けていくことが、コンスタントなご来店に繋がったと思っています。
具体的には、まずお客さまの好みやライフスタイルを知るのは当たり前として、何に価値を感じているのか?今情熱を感じて売るのは何か?など、その方のハートが動く部分をしっかりキャッチするために、接客でも色んな話題に触れることにこだわっています。

お客さまにご提案をする上で、こだわりや大事にしているポイントはどんなところですか?

予想外のことが言えるかどうかを大事にしています。お客さまが想定している輪の中から一歩出たところをご提案する。そうすると興味を惹くことができ、その提案をした理由に納得いただければ、最終的に刺さってくださるんです。

また、たまに逆の提案をしてみたりもします。お好みじゃないだろうな、という商品にもあえて触れることで、お客さまがNoという理由を引き出せれば、お客さまの好き嫌いをより詳細に理解することができるんです。断るには必ず理由があって、コンプレックスなのか、失敗があったのか、何かが原因で自分には合わないと思っていらっしゃるのか…その“何か”をしっかり引き出すことが、関係性の強化にも繋がると思っています。


キャリアを突き詰めることで公私ともに充実した環境へ

これまで経験してきたブランドについて、共通点や違いなどはありますか?

私が働いていた国内ブランドは、社内の環境やシステムが整っていて、ベテランから新人まで一気通貫で芯が通っているのが働きやすかったです。新卒の多い企業だったので、新人からすると先輩社員や上司の価値観が同じだと馴染みやすいですし、会社が掲げる価値を同じ水準でお客さまに提供しやすいというメリットがありました。

一方、現職のラグジュアリーブランドは、新卒だけでなく中途採用を含めてバックボーンの異なる人物が集まっている点が大きな違いでした。システムが流動的だったり、社員によって価値観も大きく異なったりするので、それにおもしろさを感じられるか、どう楽しめるか、柔軟に対応できるかが大事だと感じています。幸い、私はおもしろいと思えるタイプで、今の環境にやりがいを感じられています。

接客や仕事の観点での違いはありますか?

一番はお客さま層の違いですね。前職以前ではファッション初心者の方やローカルなお客さまが多かったのに対して、現職は富裕層やインバウンドの割合が多く占めており、買い物慣れしている方や、人生経験豊富な方が本当に多いです。

当然ながら求められる接客スタイルも異なり、ベーシックな接客は当たり前として、そこにプラスしてお客さまが求めることに瞬発力をもって対応できるかどうか。速さとクオリティの両方を高いレベルで求められます。我々のミッションは顧客獲得なので、お客さまともう一度お会いするためにどう動けば良いかを常に考えています。

リアルな話ですが…(笑)年収やライフスタイルなど仕事以外のところで変化はありましたか?

大きくありました。まず年収は100万円以上のアップが叶いました。外資特有の、セールスや高額製品など対するインセンティブ報酬がありますので、入社してさらに想定以上の収入が生まれています。
ライフスタイル面ではプライベートの時間が増え、実労働時間がこれまでよりも1日あたり約1時間減りました。業務時間が短縮した理由は、現職にバックヤード専門スタッフがいることが大きいです。われわれ販売職が販売の仕事に集中できることでストレスが軽減され、業務時間も効率化し、プライベート時間の確保・充実に繋がっています。

ライフスタイルの変化に伴って始めたことなどはありますか?

引越しをして、通勤時間を短縮できました。今まで、衣食住の“衣”のみにフォーカスしていたのが、収入や時間に余裕が出ることで、食事や住まいにも変化が生まれ、衣食住を十分に楽しめるようになってきました。それがまた仕事に活きており、接客の幅が広がっています。


お客さまに情緒的価値を提供し、長く続く信頼関係を生み出せる喜び

長く販売員をされてきた中で、記憶に残っているお客さまはいらっしゃいますか?

2社目のセレクトショップで仲良くさせていただいたお客さまなのですが、今でもファッションに関するご相談をすべていただいています。現職の店舗に来てくださったり、私のご提案するアイテムを買ってくださったり、お食事に誘ってくださったりと、すごく自分を信頼してくださっていて、そういう信頼関係は何にも代えがたい価値だなと感じています。

実はこのお客さま、先ほど接客のポイントとして挙げた、潜在ニーズやコンプレックス、不満に感じる部分に触れ、価値観をパラダイムシフトされたことで仲良くなり、長く関係が続いているんです。

それは嬉しいですね!何事にも代えがたい価値だという話が出ましたが、販売員の価値とは何だと思いますか?

これだけインターネットが充実し、買いたいものが手に入る世の中で、“情緒的価値”を生み出せることが販売員の価値だと思っています。私自身、エモーショナルにお客さまのハートが動く瞬間をつくれるかどうかにこだわり、それによって生まれた関係性は崩れないことに価値を感じています。日ごろから、何にも代えがたい瞬間に出会えるのは、販売職ならではの魅力だと思います。

ファッションは日常的なもので、人々にとって切っても切り離せない存在です。そのため、いろんな販売職がある中でも、“何にも代えがたい瞬間”に出会える確率が高い仕事だと感じています。その瞬間に出会うために自分のスキルを上げ、自分の好きなものをハッキリさせることを大切にしています。それを続けることで、一生を通じてお客さまに価値を提供し、何より自分自身が楽しみ続けていきたいです。

今回のインタビューを担当しました!

キャリアアドバイザー

荒井

荒井 慎也(あらい しんや)

新卒でセレクトショップに入社し、店長、エリアマネージャー、ブランドの販売指導や研修など、接客・販売にかかわるさまざまなポジションを経験したのち、クリーデンスのキャリアアドバイザーとして転職。
前職でのこれらの実体験を活かして、販売職の方を中心にサポートしながら、販売員のこれまで以上の価値向上を目指している。
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