Fashion★シゴトNEWS
2024.09.25
大手企業の販売職だからこそ経験できる接客スタイルとスキルアップ―― クリーデンス秦野さん・齊藤さんインタビュー
私たちクリーデンスは、アパレルをはじめとするファッション業界で販売員としてはたらく人が、これまで以上にやりがいをもってイキイキとはたらくことができる状態をつくるために「販売員価値向上プロジェクト」を立ち上げ、さまざまな取り組みを行っています。今回は、現在クリーデンスのキャリアアドバイザーである秦野さんと、元クリーデンスの齊藤さんが、国内大手アパレル企業での販売経験をもとにお話を伺いました。
もくじ
同じ大手アパレルの販売職でもこんなに違う接客方針
まずは経歴を教えてください。
2017年、新卒で国内大手アパレル企業に入社しました。社長の話に共感したのがきっかけです。地域限定社員として神奈川~東京エリアを担当し、小型路面店、60人規模店舗、新店立ち上げなど、規模の異なる店舗で経験を積みました。
私は2016年に、秦野さんとは別の国内大手アパレル企業に入社しました。純粋にその企業のブランドが好きで、学生アルバイトもしていたので、そのまま新卒採用を受けました。私は「全国転勤あり」の総合職を希望して合計6店舗に属し、大阪・和歌山の新店舗、長野でサブ・店長の経験を積みました。
私の同期は総合職が多かったですが、地域限定職は倍率が高く人気が高かったです。
ふたりとも規模の大きな店舗を経験していますが、接客の頻度はどれくらいだったのでしょうか?
同じ大手とはいえ、タイプの異なる企業なので、それぞれ違いそうですよね…!(笑)
私はオペレーション重視でした。接客時間は「目安5分」だと決められていて…(笑)短い時間でどれだけ精度高く接客できるかを求められていました。「かゆいところに手が届く人になりなさい」という教育方針だったので、「高いところに置いてある商品が欲しいのかな?」「スマホで何か探しているのかな?」など、細かい気配りを持てるように教えられました。
私の職場では、明確なルールやマニュアルはありませんでした。オペレーションというよりは、接客によってお客さまと関係構築し、売上を作ることが重視されていました。入店されたらファーストアプローチをして、そこから全身コーディネイト提案に繋げる…という接客が基本スタイルで、店舗や混雑具合などによって、スピード感を意識して接客スタイルを切り替えることもありました。
オペレーション重視の印象が強い大手企業…その実態とやりがいは?
実際に話を聞くと、会社によって接客スタイルが全然違いますね…!それぞれの環境で、どんなところにやりがいを感じていましたか?
私が勤めていた企業は全国にたくさん店舗があるので、その中で自店舗の“リピーターさま”を発見すると、「わざわざ来てくださっている!」と嬉しかったですね。また、スタッフの8割が学生なので、教育することも楽しく、やりがいに感じていました。
大きなブランドに属していたことで、じっくりと深い接客を行うスタイルとオペレーション対応の両方を経験できたことが、すごくおもしろかったです。ほかにも、繁忙期や混雑時は、同時間内に複数のお客さまに接客する「多重接客」を行ったりと、さまざまなスタイルの接客を経験できました。幅広いスキルを身に付けられたことは、販売職としてのやりがいにも繋がっていました。
働く部分でもやりがいもそれぞれ異なるのですね。教育する機会が多かったり、接客の総合スキルを身に付けられたりするのは、社会人として高いスキルを身に付けられる素敵な環境ですね。とても貴重な経験だと思います。
大手ならではの顧客との繋がりを知りたいです。顧客作りのプロセスや、お客さまとのエピソードはありますか?
オペレーション重視ではありながらも、働いている中で、「あなたの接客を受けたい!」と言ってくださるお客さまはいらっしゃいました。問い合わせに対応したり、比較的長めに接客を行ったりしたお客さまから、後日氏名を受けて担当することもありましたね。
スタッフが何十人もいる規模の店舗だと、オペレーションがメインで接客をあまりしない…というイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、実際は違います。「接客をしない」のではなく、「短い時間でどれだけ精度高く接客できるか」を大事にしていました。会社がスタッフに求めるレベルが高いからこそ、スキルを磨き続けることができたと思っています。
私は、自ら顧客を作れる環境でしたね。「スタッフ個人に付く顧客」ももちろんいらっしゃいましたが、「お店全体の顧客」も多数いらっしゃいました。顧客作りの戦略は店舗ごとに異なっていて、店舗一丸となって考えていくおもしろさがありました。
ブランドや店舗によってお客さまの目的、ニーズは異なります。それに合わせて、限られた時間で質の高い接客を行ったり、お店の方が全員で迎え入れてくださったりと、さまざまな工夫をしていることが伝わってきました。私がお客さまだったらどちらも嬉しいだろうな、と感じました。
最新の技術だけでは味わえない感動や満足を得られる仕事
では最後に、ふたりが思う販売員の価値とは何ですか?
私はシンプルですが…生身の人間が接客を行うこと自体が販売員の価値だと思います。
私が勤めていた会社は、最新のアプリやデジタル開発を進めている企業だったので、最先端のおもしろさも感じていました。
ただ一方で、やっぱりお客さまの悩みや買い物の目的を聞きながらの接客は、「お互いの会話」があるからこそ成り立つものでした。もちろん、デジタルツールを活用するメリットもありますが、単にそれだけでは得られないものがあると感じました。
また、接客の話をすると、お客さまにご満足いただくことが第一想起されがちですが、販売員にとっても良い接客ができると満足度が高く、思い出深く記憶に残ります。それも含めて素敵な仕事だと思います。
私は、「お客さまの初めての瞬間」に携われることがとても楽しくて、販売員にしか味わえない価値だと思っています。
たとえば私は、高校生から大学生に進学するタイミング、「いわゆる大学デビュー」のお客さまをたくさん接客してきました。テレビCMなども盛んに放映している会社だったので、「CMで見て、大学生になって初めての買い物ならこのブランドだ!と思って来ました」とご来店いただくお客さまも多く、全国規模のブランドならではの出会いがたくさんありました。
新生活を始められる瞬間のワクワクやドキドキを一緒に共有できることが嬉しくて、販売職ならではの喜びだなと感じていました。
ふたりの話を聞いていて、「お客さまと関わる瞬間」である、その時間こそが価値なのだと感じました。自分の人生を振り返ったときに「あの時間、素敵だったな」と思える仕事ができたということですよね。販売職って改めて素敵な仕事だと思います。
このインタビューを通して、接客体験はお客さまだけでなく販売員自身にとっても思い出になるという、新しい価値観を教えてもらえた気がしました。ありがとうございました!
今回のインタビューを担当しました!
キャリアアドバイザー
須藤
大学卒業後、新卒でハンドバッグブランドへ入社。販売・店長を経て、売上管理、VMD、人材育成などに従事したのち、クリーデンスのキャリアアドバイザーへ転職。
販売、営業、EC、SNS/PRなどの転職サポートを中心に、特に地方での販売職の転職サポートや、販売員の価値向上にも取り組んでいる。
詳細なプロフィールはこちら
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