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2023.03.29

<イベントレポート>デジタルとリアルのナンバーワン販売員がセキララ本音トーク!

<無料セミナー>デジタルとリアルのナンバーワン販売員がセキララ本音トーク!~重要性・スキル・魅力・大切にしている習慣~

アパレル・ファッション業界は、コロナ禍を経て「販売員」が担う役割が変化し、リアル(実店舗)での接客にとどまらず、デジタルとリアルをつないだブランド世界観の体現や売上創出、またそれらを通じたブランドや販売員自身のファン創出など、多岐にわたってきています。

そこで、「クリーデンス」と「STAFF START」の協業による販売員向けのセミナーを、2023年3月8日にオンラインで開催。第1弾となる今回は、業界の第一線で活躍する方々をパネリストにお迎えし、リアル・デジタル双方に通用する接客のスキル、そして販売・接客の魅力をお話しいただきました。本記事では、イベントの様子をダイジェストでお送りします。

今回はこの方々に登壇いただきました!

株式会社バロックジャパンリミテッド
営業統括本部OMO推進部デジタルマーケティンググループ(4月1日時点)

村岡 美里さん

株式会社バロックジャパンリミテッド 営業統括本部OMO推進部デジタルマーケティンググループ(4月1日時点) 村岡 美里さん

福岡県出身。2012年バロックジャパンリミテッド入社。 約9年間riendaの販売員と店長を経て、現在は本社にて全国の販売員に向けたSNS教育を行う。バロックジャパンリミテッドオフィシャルスタッフとして、自らもSNSでの情報発信を行っている。

株式会社トゥモローランド デ・プレ丸の内店

中島 弘子さん

株式会社トゥモローランド デ・プレ丸の内店 中島 弘子さん

2005年株式会社トゥモローランド入社。
ファッションと旅行が好きで、この仕事を選択。会社の人事や人財開発室が販売員の地位向上に力を入れており、そこに共感している。入社後は、名古屋や東京の店舗で接客販売を経験し、サブマネージャーや店長として活躍。
出産を経て、現在は時短社員として働きながら、店頭接客やCRMを担当する。ロールプレイング大会の優勝経験があり、若い世代が大会に出場するサポートをしながら、自身も大会に出場し、さらなる高みを目指している。

接客販売トレーニング&コンサルティング事務所 kocori(ここり)代表

坂本 りゅういちさん<ファシリテーター>

接客販売トレーニング&コンサルティング事務所 kocori(ここり)代表 坂本 りゅういちさん

研修講師・ショップコンサルタント。
両親の経営する和食料理屋で生まれ育ち、接客の楽しさを学ぶ。
大手アパレルファッションブランドで接客販売業に携わって以来、洋服・時計・靴・パーソナルストレッチジムまで、あらゆる業態においてさまざまな商品販売を経験。数多くの売上獲得実績を持つ。
『接客販売とは、お客様に未来を買っていただくこと』が信条。

坂本

それでは始めたいと思います。本日は2名のゲストをお招きしたトークセッションで、お二人とも販売現場についてとても詳しいので、お話を聞くのが楽しみです。
はじめに、みなさんに簡単なアンケートを取らせていただきます。「あなたの接客販売経験について教えてください」

坂本

3年以上の方が70%を超えていますね。未経験の方も参加いただいています。「その他」の方は本社の方でしょうか。今日はいろいろな話を聞けると思うので、楽しみにしていただければと思います。


どれだけデジタルが進んでも、販売する相手がお客さまであることは変わらない

坂本

それでは、本日最初のテーマ「販売職の未来ってどうなっていくの?」ということを、現場をよく知るお二人に聞いていきたいと思います。この疑問の背景には、「AIに取って替わられるんじゃないか」という不安や、「接客を受けて買う必要ってあるの?」という疑問があります。

一方で、現在販売職を募集している会社が非常に多い事実もあります。2022年の販売職の求人倍率は前年の2.8倍というデータが出ているんです。未来が明るいのか暗いのか分からない状況ですが、この先の販売職にはどんな役割や重要性があるのか、お話を聞きたいと思います。

中島

AIにできないこととして、「気持ちの共有」があると思います。コロナ禍を経て、買い物を特別なイベントだと思ってくださる方が多いことを、お店でよく感じます。この先買い物は、特別なイベントやエンターテイメントの要素が重要になり、それを提供できることが大事になってくると思います。

坂本

なるほど。逆にそういうことができるようにならないと、5年後10年後は厳しくなっていく可能性もあるということですね。村岡さんはどうでしょうか?

村岡

AIの発達は確かにすごくて、レジやフィッティングの案内の自動化など、さまざまなツールが増えています。その中でも変わらないことは、販売する相手が機械ではなくお客さまであることです。ツールがあっても、どういう言葉を選ぶか、どんなタイミングで語り掛けるかは、販売員しかジャッジできないものだと思います。なので、AIが普及しても、販売の現場で培ったスキルは価値があると思います。

坂本

村岡さんは、SNSのフォロワーが8万人いますよね。すごい数だと思うんですが、その人が今のような話をするってすごいことだと思うんです。現場で培ったものがあるからこそ今があるのですね。


スキルアップのために行っているトレーニングや習慣とは

坂本

続いてのテーマは、「販売の仕事・スキルアップ」に関して。これは気になっている人も多いと思います。ここではお二人がスキルアップのために意識して行っているトレーニングや習慣についてお聞きしたいと思います。できればふたつほど挙げていただけたら参考にしやすいかと思うのですが、いかがでしょうか。

中島

一つ目は「接客を受ける」ことですね。洋服以外にも、レストランやホテルなどで上質な接客でおもてなしされると、それだけで幸せになります。それを自分自身でできるようになったり、後輩に伝えたりできるように意識しています。

二つ目は、自分自身の教養を深めることです。接客で新しい価値を提供したいと思っているので、例えば英語を勉強したり、ファイナンシャルプランニングの勉強をしたりしています。

坂本

いろいろな方向にアンテナを広げているのですね!
村岡さんはいかがですか。

村岡

私は今YouTubeの担当をしているので、旬なネタを意識的に探しています。実はこれ、現場にいた時の他店調査にすごく似ているんです。他店でこれが売れていそうだな、のような当時の感覚が、今やっていることに反映されています。

接客関連では、プロファイリングの癖をつけることですね。電車に乗った時などに、他のお客さんを見て「鞄小さいのに紙袋パンパン。急に荷物増えたのかな」とか、「ネイルの先にオイルが付いてるから、今ネイル行ってきたところなのかな」とか、そういうところを見るようにしていますね。


販売員にとって必要なのは「管理」よりも「サポート」

坂本

次のテーマは、「企業の取り組み」についてです。現場でもっと売れ、みたいな話をされても、現場だけで努力してもできないことや、環境を整えた方がいい部分もあると思うんです。企業としては、販売に対してどのように向き合ったらいいか、お二人に聞きたいと思います。

村岡

SNS時代にマネジメントにいる立場として感じることは、「管理」の意識が根強くあることです。SNSに限りませんが、必要なのは管理よりもサポートだと思っています。インスタグラムや、TikTok、YouTubeなどは、会社の商品を販売する目的でスタッフが運用してくれている、という目線でまずはサポートし、不安なことがあればいつでも問い合わせてきてね、というスタンスが大切だと思います。

坂本

中島さんはいかがですか。

中島

時短として働いていることで役割を持っていない人がいて、それがもったいないと思っています。企業はスキルを取りこぼさないように、適材適所に人を配置する必要があると思います。同僚や先輩に、私はこういうことをやりたいと思っている、と伝えられる環境だといいなと思います。

坂本

チャットでもメッセージが来ていますね。「まさにサポートできない会社です」「新作のキャンペーンなども丸投げされています」などなど。もし会社が全くサポートしてくれないとしたら、お二人はどうしますか?

村岡

「やっといて」とだけ言われるような状況ですよね。私の場合は、お願いされる前にやって、「これめっちゃ良かったんでどうぞ」って事例として広げていきました。

坂本

自分からやってみて、それを周りに波及させてくれる人は会社からすると非常にありがたいですね。すぐに答えが出るような話では無いですが、こんな方もいるというのは参考になりますね。


好きな洋服を通じてお客さまの喜びを共有できること

坂本

最後のテーマ、「販売職の魅力」に参りたいと思います。お二人にも聞きたいのですが、チャットで参加の皆さんにも聞いていきたいと思います。

坂本

「人とのつながり」「お客さまの未来を変えられる」と言っている方が多いですね。「存在価値が見いだせる」「お客さまの喜びを最初に感じられる」本当にそうですね。「ファションを通じていろんな人と触れ合える」「お客さまの人生を華やかにする」ありがとうございます。皆さんご自身なりの魅力をお持ちであることがすごく分かります。

ではお二人にも聞いていきたいと思います。

中島

好きな洋服を通じてお客さまの喜びを共有できること。それに尽きると思います。お客さまにご提案した洋服を着て、周りに褒められたと言ってくださる。そしてその周りの方も一緒に来店してくださるのは本当にうれしいです。

あとは、子どもに自分が楽しんで働いているのを見てもらいたいと思っています。子どもは緊張しやすい性格なのですが、私がロールプレイングに出るときなどは、私もこんな頑張っているからあなたも頑張って、というメッセージを送る気持ちで取り組んでいます。

坂本

なんだかいいですね。村岡さんはどうですか。

村岡

とにかく人の役に立つことが私の感じる魅力だなと思っています。皆さん困っていたり不安があったりして店頭にいらっしゃいます。それを一番近くでサポートして、商品を手渡すことのできる販売員って、素敵な職業だと思います。
もう一つの魅力は、答えが無いことです。100人いれば100通りの答えがあるように、マニュアル化できないところも魅力だと思います。


販売キャリアは大きな価値。そういう人にこそ、SNSの世界で輝いてほしい

坂本

最後に、事前に頂いた質問に、時間の許す限りお答えできればと思います。
「実店舗で販売をしているスタッフが、撮影・加工・発信・分析含めてSNSを運用する必要性は何だと考えますか?」という質問がきています。本社でもやろうと思えばやれてしまうということだと思うんですが、店舗スタッフで行う意味、意義についてお考えがあればお聞かせください。

村岡

「会える存在」だからですね。スマホの中だけではなく、実際に会えることは絶対的な強みです。私は、今8万人の方に見ていただいていますが、現場じゃなかったら絶対にここまでの規模になっていません。現場で日々お客さまと向き合っているのは相当な強みだと思います。

坂本

ありがとうございます。お時間も限られているので次々いきたいと思います。
「動画SNSでのお客さまとのやりとりや、動画配信が苦手なスタッフが多いです。苦手意識のあるメンバーにも前向きに取り組んでもらうにはどうしたらいいでしょう?」という質問ですね。中島さんも顔出しが苦手と先ほど伺いましたが、どう思いますか?

中島

デジタルに疎いので、今から勉強し直すよりは店舗に重きをおいていることもあります。顔出しは若い子に任せて、私がサポートするよ、と思っちゃうんですよね。

村岡

私が店長さんに向けて研修をする理由の一つは、いちばんお客さまがいて、いちばん過去の商品を知っているからなんです。たとえば初めての美容院をオンラインで予約するとき、よく分からない状態で指名するなら、キャリアが長い人にすると思うんです。販売キャリアは価値なので、その価値に気付いてもらい、SNSの世界で輝いてほしいと思います。

中島

そう言われると頑張れそうな気がします!

坂本

クロージング関連の質問が来ています。「クロージングに悩んでいます。特に迷われて購入に至らない場合にあとひと押しができません」これは皆さん悩んでいることだと思います。お二人はどんなことを意識して接していますか?

中島

具体的に悩まれているのであれば、その不安を一緒に解消します。それ以外では、「感じのいい振られ方」を意識しています。「今日は買わなくていいので、覚えていていただいて、またぜひ私のところに来てもらえたら」といった感じで。

坂本

いい言葉ですね、「感じのいい振られ方」。村岡さんはどうでしょうか。

村岡

場を気まずくさせないスキルは大事だと思います。お客さんが「めっちゃ接客させてしまって申し訳ない」と思ってしまうと、その後お店に来づらくなるので。「次めちゃくちゃかわいいの入るので、待ってて正解かもしれないです」くらい言ってしまうかもしれません。

坂本

回答ありがとうございます。お時間が来てしまったので、本日は終了にしたいと思います。時間の都合で回答できなかった質問もあり申し訳ないですが、質問ありがとうございました。

最後に、これからも皆さん現場で頑張っていただき、そして小売を盛り上げていけたらと思います。本日は本当にありがとうございました!


アンケート結果・まとめ

今回のイベント終了後のアンケート結果はこちらです。
「大変役に立った」「役に立った」と回答いただいた方が93%でした。

自由記述欄抜粋

  • ・販売職の魅力を改めて聞いたり、お三方が楽しそうに話されているのを見たりして、販売を続けてきて良かった、これからも続けていきたいと感じることができました。
  • ・販売員としての未来を考えた時に、お客さまと個々の関わりは欠かせないことであり、自分にもお客さまにもプラスになることなんだなと思えたので、前向きに取り組んで行けそうです。
  • ・新人時代に思い描いていた「接客中はお客さまの親友になったつもりで何でも悩みを打ち明けられるスタッフでありたい」という自分の中での目標がもう一度見えてきました。
  • ・最近ちょうど今後仕事を続けていくのかを考えていたところだったので、この仕事を続ける理由をもう一度見直せて本当に良かったです。

販売員を取り巻く環境や役割が変化していく中、販売員はスキルや知識、接客手法を日々アップデートする必要が高まる一方で、企業が販売員に“学びの場”を提供する機会は限られているのが現状です。今回のセミナーは、そんな背景をふまえて「クリーデンス」と「STAFF START」が協業し、アパレル販売員の価値向上を目的とした施策として開催いたしました。

ニュースリリース:「クリーデンス」と「STAFF START」、販売員の価値向上を目指し協業。第一弾として、販売員の可能性を広げるセミナー開催

今後も、アパレル販売員の価値向上を目指し、同様のセミナーを開催してまいります。
開催予定等の情報は、クリーデンスのWebサイトでお知らせいたします。

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