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2021.11.18

逆算思考で未来を考えよう!中高生のためのファッション育「わたしたちの働く未来~自分の人生は自分で決める!ファッション業界編~」イベントレポート

2021年10月25日、クリーデンスは、FUTURE FASHION INSTITUTE株式会社(代表取締役/LOVABLE代表 秋山和香奈氏)とともに、中高生のためのファッション育プロジェクト「FFI」のイベント『わたしたちの働く未来~自分の人生は自分で決める!ファッション業界編~』を開催しました。

今回は好奇心旺盛な、中学2年生の生徒さんたちにお集まりいただき、5つのコンテンツをお話しました。
その中から、「進路を選ぶってどういうこと?」と、「先輩インタビュー」について、内容を少しご紹介いたします。

今回のパネラー

クリーデンス リクルーティングアドバイザー(営業)

藤本 亜美(ふじもと あみ)

新卒4年目の27歳。リクルーティングアドバイザーとしてスタートアップ企業から外資ラグジュアリーブランドまでさまざまな企業の採用サポートを行っている。
中高時代は地元の公立中学でテニス部所属、その後大学付属高校ではカラーガード部で部活三昧。大学ではストリートダンスサークルに所属し、ファッションブランド「ZARA」でアルバイト、北欧フィンランドとアメリカに1年間留学。

クリーデンス キャリアアドバイザー

須藤 悠希(すとう ゆうき)

社会人歴10年目。株式会社サマンサタバサジャパンリミテッドで販売職を経験。その後、パーソルキャリア株式会社 クリーデンスに転職し、日々ご相談いただく求職者の方々に向けて、転職サポートを行っている。
地元の中高時代の夢は英語の先生になること。大学では好きなファッションのためにバイト代をすべて洋服につぎ込み、福島県から月1回、夜行バスで渋谷109に通う日々。アメリカ コロラド州立大学へ短期ステイしたことをきっかけに、ファッションの道に進むことを決めた。


進路を選ぶってどういうこと?

「つみあげ思考」 と 「逆算思考」

私たち、特に学生と言われる間は、近い目標を追って生活しています。「どの高校に行く?」「どの大学に行く?」「どの会社に入る?」「どんな仕事に就く?」など、今の自分にできることを基準に、目の前のゴールをつみあげていく考えが『つみあげ思考』です。

学生の間は、『卒業』という区切りがあるので、すぐ近くにある目標を考えやすく、困ることもそうないかもしれません。しかし、社会人になるとその区切りがなくなり、社会に出てから残りの人生すべてを、自分で考えていかなければなりません。

ずっと目の前のことだけを見てきた状態で、この先のことについて、どれだけ考えることができるでしょうか?
これがつみあげ思考の怖いところです。

対して「誰のために、どんな仕事がしたいのか?」「そのためには、どんな会社・業界で働くと良いのか?」「そういうところで働くためには、どんな大学で何を学べば良いのか?」「そのためには今、理系・文系、どっちを選んでおくべきか?」と、先の未来から逆算して、今何をすべきかを考えることを『逆算思考』と言います。

右の考えと左の考え、どちらが逆算思考でしょうか?

なぜ、逆算思考が必要なの?

パネラーの藤本が「私の失敗談」と語るのは、自身の過ごしてきた中学時代。
部活、勉強、塾、習い事、行事、遊び、恋愛…とにかく忙しい毎日を過ごしていました。

「勉強さえ頑張っていれば、どこかの高校には受かるでしょ!いくつか合格できたら、その時に選べばいいや。」
「だって今、忙しいし。」

…その結果、大きな後悔をすることになりました。受験した高校のひとつに無事に入学できたものの、中学のときに進路を選ぶことと向き合わず、サボってしまったことで、その高校は、私にとって好きなことが実現できない環境だったのです。

この世には選びきれないほどの選択肢があるということを、当時の私は考えもしませんでした。自分の人生なのに、自分で選ばなかったことを、今でもすごく後悔しています。高校なんてどこでも一緒でしょ、という考えがそもそも間違っていたし、選択肢がいくつかあったとしても、最終的にその中から自分で選ぶという力がなければ、自分の思う未来は、驚くほどあっけなく自分の手から離れてしまうのです。

進路を選ぶということは、環境を選ぶということ。
周りに流されて適当に決めたら、きっと後悔する日が来ます。

どうすれば自分にとってベストな選択をすることができる?

好きなものを選んでと言われたとき、どっちが選びやすいですか?どっちがワクワクしますか?

選択肢が増えれば増えるほど、自分に合った選択をするのは難しくなります。
でも、そもそも選択肢を知らなければ、自分にぴったりのひとつは選べません。
世の中にはどんな選択肢があって、自分はその中からどんなひとつを選ぶのか?
まずは、「選択肢を知ること」が大切なのです。


先輩インタビュー~須藤 悠希の場合~

どんな中学時代を過ごしてきた?

須藤:山形の田舎で生まれ育ち、当時は英語の先生になるのが夢でした。きっかけは中学生のとき、「世界がもし100人の村だったら」という絵本と出会ったこと。世界中何十億人を100人にたとえて色んなことを教えてくれる内容で、たとえば、家に小銭が転がっている人は世界に2人、銀行に預金がある人は世界で8人、といったことが書いてあるんです。
私は、日本で生まれ育って当たり前だと思っていたことが世界ではそうではない、すごく幸せな環境にいるんだ!ということにショックを受けました。そういうことを知らない人たちに伝えたい、どうやって伝える?と考えてたどり着いたのが、英語の先生でした。

私の地元で働く大人たちの多くは、消防士や警察官、教師などの公務員でした。 当時の少ない選択肢の中で、自分がしたいことが実現できるのは、英語の先生しかなかったんです(笑)。

そんな中で、ファッション業界に興味を持ったきっかけは?

須藤:英語の先生になるため、大学では英文科に入りました。語学や文化を教えるためには現地のことを知らないと!と思い、大学1年生のときに、アメリカ コロラド州に1ヶ月のショートステイをしました。結果的に、それがファッション業界に進むきっかけになりました。

どんなきっかけがあった?

須藤:ステイ中のある日、洋服屋さんに行ったら、レジカウンターに女の子が2人座っていて、ノリノリで「ハーイ!」ってあいさつしてくれたんです。今みたいにSNSやYouTubeなどもなかったので、「このノリが許される世界があるんだ!」とすごくカルチャーショックを受けて、日本では考えられない価値観が世の中にはあるんだ!ということを知りました。それと同時に、こんなに視野が狭くて知らないことが多いのに、先生になるなんて無責任だなと思ってしまって、将来について悩むようになりました。

そんなときに、テレビでサマンサタバサの特集を見たんです。当時、サマンサタバサが欧米進出を積極化するタイミングだったので、この会社に入れば、世界中のさまざまな文化や価値観に触れ、日本の文化を世界に発信していくことで、自分自身が成長できるんじゃないか、と思いました。

まさに希望する会社に入って、ファッション業界で働くやりがいはどんなことだった?

須藤:丸井のお店の店長をしていたとき、丸井限定バッグの企画が立ち上がって、デザイナーさんと一緒に、形や素材や色などを全部決めて、作ったんです。夏服でも冬服でも持ちやすいように、バッグの持ち手の長さを変えられるようにしたり、30色くらいあるピンクの中で、日本人の肌に一番合うベージュピンクを選んだりと、こだわりをたくさん詰め込みました。
何もないところからモノを生み出して、お客さまの手に届くことが嬉しくて、これは思い出深い仕事のひとつでした。

また、サマンサタバサはとても華やかなブランドなので、芸能人の方々と一緒にお仕事をさせていただく機会があったことも貴重な経験でした(笑)。

今、学生時代の自分自身の選択についてどう感じている?

須藤:私は当時の自分の選択を良かったと思っています。地元や大学の友人たちの多くが地元で働くことを選択した中、東京でファッション業界を目指す私は、どちらかというと珍しい存在でした。「なぜ?」と言われることも多かったですが、私は、留学などを通じて自分が感じたことを大事にして、自分で自分の将来を選択しました。自分が選んだことなら、自分で責任を持てるし、心から頑張ろうって思えます。しんどいこともありましたが、何があっても、「自分で選んだことだから」と納得できる選択ができたと思います。

周りとは違う選択をするってすごく勇気がいること。

須藤:色んなことを知ろうとせず、狭い選択肢の中だけで何となく選んだ将来だと、何かあったときに「こんなはずでは」と後悔していたかもしれません。自分の決断を信じて良かったです。


ご参加いただいた生徒さんたちからのコメント

「いつも周りや親に流されたり、友人に合わせて選択したりということが多かったので、逆算思考は考えさせられました」
「普通に生活しているとつみあげ思考になりがちですが、将来を考える上では逆算思考がすごく大切だと感じました」

など、逆算思考について学べたと回答してくださった方が多くいらっしゃいました。
逆算思考は、学生の間だけでなく、社会に出てからも一生使える大切な考え方です。
年齢や状況などに関わらず、ぜひ多くの方の参考になればと思います。

また、

「近い将来、自分の未来の選択をしなければならないときには、今日のことを思い出して、後悔しないようにしたいです」
「先輩の体験談を聞いて、思っていたよりもたくさんの選択肢があることに気付きました」
「自分で決めた環境と、そうでない環境では、自分の心境も考え方も変わってくるので、しっかり考えて決めたいです」

など、ご自身の将来を考えるにあたっての良いきっかけになってくれたことを嬉しく思います。


クリーデンスは、社会人のみなさんがいきいきと働くことをサポートするのみならず、未来のファッション業界を担う子どもたち・学生のみなさんに向けた活動も行っています。アパレル・ファッション業界ってどんな仕事があるの?自分の将来はどんなふうに考えればいいの?そんな「考えるきっかけ」を子どもたちに与えたい学校・教育関係者の方がいらっしゃいましたら、お気軽にご連絡ください。

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