アパレル企業特集

2017.07.03

MARK STYLER株式会社

第二創業期から2年、MARK STYLERはどう変わったか?
代表取締役社長 秋山正則氏インタビュー<前編>

MARK STYLERは第二創業期がスタートしました―
そんな背景から、代表取締役社長の秋山正則氏にインタビューしたのが2015年3月のこと。
あれから2年間、MARK STYLERには一体どんな変化があり、また成長を見せたのだろうか。
改めて、秋山氏にインタビューを行った。


MARK STYLERの成長の3本柱「新ブランド」「eコマース強化」「海外展開」

2015年3月にインタビューさせていただいた際、第二創業期というテーマでお話を伺いました。その後2年あまりが過ぎ、どのような成長や変化があったでしょうか。

秋山:まずオーナーが変わったことです。前回インタビューをお受けした直後、シティック・キャピタル・パートナーズ(以下、シティック)の傘下になりました。シティックは香港を本拠地とするファンドで、MARK STYLERが考える既存・新規ブランド展開、eコマース強化、海外市場への積極展開といったプランを盛り込んだ2020年までの中期経営計画に賛同いただき、2015年4月30日より現体制になりました。

MARK STYLERの成長の3本柱「新ブランド」「eコマース強化」「海外展開」

それぞれのプランについて、くわしくお聞かせください。

秋山:現在MARK STYLERでは17ブランドを展開していますが、この2年間で、当社では展開していなかったターゲットのブランドをいくつか立ち上げました。

まず30~40代に向けた「ELENDEEK(エレンディーク)」と「UN3D.(アンスリード)」をスタートさせました。「ELENDEEK」は元「MERCURYDUO(マーキュリーデュオ)」のディレクター、渡辺由香が立ち上げ、1号店を新宿ルミネ1にオープン、2017年秋には2号店となる路面店を青山にオープンします。「UN3D.」は元「MURUA(ムルーア)」のディレクター、荻原桃子が“東コレから世界に出られるブランドを”というビジョンで青山路面店からスタートし、半年後には新宿伊勢丹に2号店をオープンしました。

また、30~40代のファミリー層に向けて、メンズ・レディース・キッズ・雑貨を取りそろえたブランド「COTORICA.(コトリカ)」を立ち上げ、2017年9月にスタートを切ります。
もともと得意としていた20代女性×ファッションビル向けのブランドに加え、オトナ女子×路面店・百貨店、ファミリー×ショッピングセンターなど、さまざまなターゲット、オケージョンに対して新しいブランドを立ち上げて成長路線を狙いつつ、並行してECの強化を目指しています。

MARK STYLERは、自社ECサイト「RUNWAY channel(ランウェイチャンネル)」の内製化によりeコマースに強みを持っていますね。

秋山:eコマースに関しては、「RUNWAY channel」の運営とともに、新規ファン獲得のため外部のモール型ECサイトとの提携を強化しました。その結果、外部のモール型ECサイトの売上だけでなく、RUNWAY channelの会員も増え、eコマース全体で130%以上の成長を実現することができました。
当社におけるEC化率は33%、ファッション領域の中では高い数値だと思います。しかし、単純にEC化率を上げなければという話ではなく、お客さまがリアル店舗とECをどのように使い分けているのか、スタイルや価値観をしっかり見極めて、それぞれのサービスの質を高めていかなければなりません。オムニチャネル強化とともに、マーケット全体を理解した上での戦略作りが重要です。

海外展開についてはいかがでしょうか。

秋山:国内で成長させている主力ブランドとECを武器に、海外展開もいよいよ本格化しています。
2015年11月、越境型ECサイト「天猫(Tmall)」に「天猫国際RUNWAY channel海外旗艦店」がオープンしたのを皮切りに、2016年8月には同じくTmallに「MURUA」と「Ungrid(アングリッド)」のECサイトがオープン。2017年3月には越境ECモール「豌豆(ワンドウ)」に「Ungrid」と「jouetie(ジュエティ)」がオープンしました。

またECだけでなく、2017年6月には「Ungrid」の直営店1号店がオープンしました。行うことの基本は日本と変わりません。販売員自体がカリスマファッションリーダーとなり、よりきめ細やかなスタイリングと接客サービス、SNSでの発信などを組み合わせてファンを醸成していく。親会社が中国系ファンドのシティックであることも当社の武器の一つなので、その優位性を活用して中国の主要7大都市への旗艦店オープンを目指し、続いて他ブランドにまで展開させていく、というのが現時点でのプランです。

近年のファッション業界では「ライフスタイル」をキーワードに多業態展開をしている企業も多いですが、MARK STYLERではあくまでアパレルで勝負する、ということでしょうか?

秋山:「モノからコトへ」という価値観の変化が謳われていますが、「モノ」は「コト」の中にあり、どちらかだけを切り離せるものではありません。僕らはプロとして、どこで「モノ」を使う?どうやって「モノ」を楽しむ?というストーリーを含めてアパレルを提案していきたいですし、そのためにできること、取り組みたいことがまだまだたくさんあります。まずは中期経営計画で定めた2020年までにその思いを形にし、結果を残すことが最優先です。その先にはさまざまな可能性があると思いますが、そのときにMARK STYLERらしいチャレンジができるような土壌づくりを行っていきたいです。

MARK STYLER株式会社

MARK STYLER株式会社

事業内容 オリジナルブランドによる婦人服・服飾雑貨の企画開発、
直営店での小売ならびにフランチャイズ店、専門店等への卸売
自社運営eコマースサイト「RUNWAY channel」および
他社運営eコマースサイトを利用した商品のインターネット販売
事業所 本社:東京都渋谷区広尾5-8-14
設立 2005年11月
代表者 代表取締役社長 秋山正則
従業員数 1,191名 ※正社員:755名(2017年2月末現在)
資本金 1億円

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