Fashion★シゴトNEWS

2021.10.25

アパレル・ファッション業界の「転職求人倍率」(2021年7~9月期)を発表 転職求人倍率は上昇し、採用市場は引き続き回復傾向。

クリーデンスでは2020年10月より、ご登録いただいた求職者・お預かりした求人の数に基づいて、アパレル・ファッション業界の「転職求人倍率」を算出しています。今回のニュースレターでは、7~9月期の結果をご報告いたします。


転職求人倍率

※前期:2021年4~6月
※参考:過去の業界動向(https://www.crede.co.jp/contents/news/837_crede_journal.html)

転職求人倍率は1.32倍(前期比+0.19ポイント)。求人数はコロナ流行以前の状態までほぼ回復

アパレル・ファッション業界の2021年7~9月期の転職求人倍率は、1.32倍でした(表①参照)。新規求人数の推移をみると、コロナ流行前の2019年4~6月期と比較し、新規求人数は98.3%でした(グラフ①参照)。また、2019年7~9月期の新規求人数と比較すると95.5%。前年同期比は137%で、アパレル業界は、コロナ流行以前の近い状態まで回復していると言えるでしょう。

デジタル関連の職種は引き続き採用が活況。SNSから商品の購買に繋げるためのマーケターを求める声が増加

業種別でみると、「WEB・EC」の転職求人倍率が3.79倍と最も高く、次いで「マーケティング」が2.88倍となりました。デジタル人材はどの業界でも求められているため、求人数は右肩上がりの一方で、採用活動は難易度が高い状態が続いています。

「WEB・EC」は、ECサイトに携わる人員が慢性的に不足しています。そのため、ECサイト運営やEC化率を向上させるために重要なWEBデザイナーの採用が活発化しています。「マーケティング」は、Instagramをはじめとする「SNS運用」を担うポジションの求人が多い傾向にありましたが、SNS運用が一般化されてきた現在では、SNSをより効率的に運用し、購買につなげるための戦略を立案する「デジタルマーケティング」のニーズが高まっています。

ラグジュアリーブランドがけん引し、販売職の求人数は増加。採用基準は二極化傾向に

転職求人倍率が1.0倍を下回っていた「店長・販売」は、前期比+0.19ポイントと微増し、1.0倍となりました。新規求人数も2021年4~6月期と比較して127.3%と増加。これには2つ要因があると考えられます。

1つ目は、ワクチン接種が進み、客足回復を見越して採用を再開した企業が増加したこと。2つ目は、ラグジュアリーブランドの求人数がコロナ前の水準まで回復していることです。2021年に入り、ラグジュアリーブランドの売上は好調に推移。これにより、多くの企業は顧客満足度を高め顧客化を図ろうと、販売員の採用を強化しています。採用基準は二極化傾向にあり、高価格帯商品の取り扱い経験があることを必須とする高い基準を設ける企業と、接客経験のみでチャレンジできる企業に分かれています。

エリア別 転職求人倍率

全国的に転職求人倍率は上昇。関西エリアは前期比+0.27ポイントと増加するものの買い手市場が続く

エリア別でみると、すべてのエリアで前期(2021年4~6月)の転職求人倍率を上回る結果となり(表②参照)、求人数も増加(グラフ②参照)しています。一方、登録者数は、夏のセールや夏季休暇とタイミングが重なるため、例年この時期は減少傾向にあります。今年も例年同様、東海エリア以外は減少しました。

転職求人倍率が唯一1.0倍を下回る関西エリアは、依然として買い手市場の状態が続いています。しかし、採用活動を中断していた企業が徐々に採用を再開する動きを見せていることで求人数は回復。転職求人倍率は前期比+0.27ポイントと上昇しました。

東海エリアは、全国と比較して宝飾含むラグジュアリー関連の求人の伸びが顕著に

全国的に、宝飾含むラグジュアリー関連の求人数は、増加傾向にあります。中でも東海エリアは、名古屋駅エリアに新たに宝飾売り場が開業したことや高価格帯商品の売上が堅調に回復していることを背景に、その傾向が顕著に表れています。またラグジュアリー関連の求人数が増加したことで、キャリアアップを目指し該当ブランドへの転職を希望する人も増加し、4エリアで唯一登録者数が上昇しました。

2021年10~12月期の予測

引き続き求人数は増加。転職活動を始める人も増加し、転職求人倍率は横ばいの見通し

採用活動が落ち着いた「デザイナー」や業務そのものを海外へ外注することが多い「パタンナー」の求人数は横ばいになると予想されます。一方、コロナの感染者数が落ち着きつつあることから、実店舗の売上回復に注力するための「販売職」や、人員が不足している状態が続く「デジタル」に関わるポジションの採用は活発化し、業界全体の求人数は増加する見込みです。例年10~12月は、プレセールや年末商戦に向けて繁忙期となるため、登録者数は減少する傾向があります。しかし、今年は、緊急事態宣言が解除されたため転職活動がしやすくなることや求人数が回復していることを背景に、登録者数は増加すると考えられます。

求人数・登録者数ともに増加することから、2021年10~12月期の転職求人倍率は横ばいもしくは、求人数の増加が登録者数のそれを上回り、微増するでしょう。


算出方法

求人倍率算出方法:転職求人倍率=求人数(採用予定人数)÷登録者数
求人数:算出期間に新たに登録された新規求人数(採用予定人数)と、算出期間以前からの繰越求人数(採用予定人数)の合算
登録者数:算出期間に新たに登録した新規登録者数と、算出期間以前から継続登録している繰越登録者のうち算出月に1件以上の求人に応募した登録者の数を合算


解説者プロフィール

クリーデンス 事業責任者 河崎 達哉(かわさき たつや)

1984年、兵庫県生まれ。
2008年、株式会社インテリジェンス(現社名:パーソルキャリア株式会社)入社。
キャリアアドバイザーとして、IT・ウェブ領域や金融、医療を担当。
また、さまざまな業界のハイクラス層の転職も支援。
これまでに支援した転職希望者は、1,500名を超える。
キャリアアドバイザー部門のゼネラルマネジャーを経て、
2019年4月からは「クリーデンス」の事業責任者として、
アパレル・ファッション領域の人材サービスをけん引している。


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