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2019.02.25

デザイナーの転職マーケット座談会<アパレル・ファッション業界>2019最新版~第1回~

転職活動において重要なのは、マーケットを捉えてそれに合わせてしっかりと準備すること。そこで今回は、デザイナーのみなさんに向けた、最新の転職マーケットについて全3回でお届けします。
アパレル業界出身で、デザイナー職のサポートに強いキャリアアドバイザーによる座談会形式で、企業のホンネに迫ります!

今回話を聞いたキャリアアドバイザーはこちら

キャリアアドバイザー<米国CCE公認 GCDFキャリアカウンセラー>

丸山

大学、ファッション系専門学校卒業後、株式会社ニコルへ入社。レディース・メンズMDを経験した後、企画室マネージャーとして新規ブランドの開発やライセンスの管理に携わる。2004年にクリーデンスへ入社後はキャリアアドバイザーとして企画系専門職を中心にこれまで600名以上の転職をサポート。詳細プロフィールはこちら

キャリアアドバイザー<米国CCE公認 GCDFキャリアカウンセラー>

大堀

1社目はアパレルでMD、デザイナー、パタンナーと連携し営業を5年。その後クリーデンスに入社し、営業を1年、キャリアアドバイザーとの兼務が半年、キャリアアドバイザー専任11年で現在に至る。詳細プロフィールはこちら


第1回:デザイナーにおける企業の採用傾向は?

ではまず、最近のデザイナーの求人事情について伺います。一般的には売り手市場、と言われていますが、デザイナーの求人はどうでしょうか?

丸山:パタンナーや生産管理など、他のものづくり系職種(川上職種)と比べると、デザイナーの求人は多いです。

なぜ、デザイナーは他の川上職種と比べて多いのでしょう?

大堀:そもそも他の職種と比べて職種人口が多いので、必然的に求人も多くなります。加えて近年のトレンドで言うと、既存の社員の方の結婚・出産に伴う採用や、リブランディングのため新たなテイストに合う人員の確保などを、最近よく耳にします。

一口にデザイナーと言っても、セレクトショップ、アパレル、コレクション、OEM・ODMなど、さまざまな企業がありますが、特にどの業態の求人が多いですか?

大堀:OEM・ODM企業や商社のデザイナー求人は多いですね。「カジュアルテイストのブランドと取引強化していきたい」など、企業方針に合わせた採用が増えている印象です。シンプルに手が回らなくて増員したい企業も多いです。

丸山:アパレルやセレクトショップは、自社ブランド・商品の好不調が売上に直結しますが、OEM・ODM企業の場合、その好不調の波を見極めて取引先を開拓していくことができます。ビジネスとしてフレキシブルで、様々なブランドに携われるおもしろさがある一方、「開拓先はあるのに人手が足りない」という状況にもなりやすいのではないでしょうか。

<アパレル・ファッション業界>転職成功者インタビュー:安達 菜実さん

なるほど。では具体的にどのようなデザイナーが求められるのでしょうか?セレクトショップ、アパレル、コレクション、OEM・ODMと、業態ごとに聞かせてください。

大堀:まずセレクトショップは、同じセレクトショップの出身者を求める傾向が強いです。「あのブランドであればセンスや感度が高いだろう」と評価がしやすいことに加え、仕事の進め方が似ている企業が多く、即戦力として期待できるためです。以前は「この方の感性面白そうだな」といったポテンシャル採用も見られましたが、近年は業界全体がシビアなので、採用に関しても堅実な判断をする企業が増えてきた印象はあります。

セレクトショップ人気は依然高いと思いますが、セレクトショップ出身以外の人にはチャレンジは難しいのでしょうか…?

丸山:そんなことはないですよ。たとえばOEM・ODM企業でセレクトショップ向けのデザインを手掛けている方が、センス・感性が評価されて転職した例もあります。
量販店向けヤングカジュアルを手掛けている方が、テイストの違う30代向けブランドにいきなり転職するのは難しいですが、テイストの近いブランドが手掛けられるOEM企業で経験を積んでからチャレンジすると、可能性はぐっと高まります。また、非常に稀なケースではありますが、セレクトショップの中でもSC(ショッピングセンター)向けブランドやアウトレットブランドがある場合、そこからチャレンジして目的のブランドに社内異動する、というケースもあるようです。

アパレル企業の場合はどのような方が求められますか?

大堀:近年はアパレル企業の求人自体が多くなく、求人が発生した場合も、手堅く慎重な採用をする印象です。セレクトショップと同様、アパレル企業も、仕事の仕方が近くて馴染みやすいという理由で、同規模のアパレル企業出身の方を求める企業が多いです。

ではコレクションブランドは?

大堀:コレクションブランドは、ブランドへの熱意と感性が一番です。まずはアシスタントから入ることがほとんどなので、これまでの経験を活かすというよりは、ブランドのために献身的に働けるかどうかが重要です。コレクションブランドの多くは小さな組織で、アシスタント業務は多岐にわたりますから、語学スキルや、フォトショップ、イラストレーターなど、何らか光るスキルがあると評価されやすいのも特徴です。

丸山:コレクションブランドは、個性的なポートフォリオが評価されて、1回の面接でいきなり内定が出ることもあります。デザイナーに刺さるかどうかというところも大きなポイントですね。こればかりは努力でどうにかなるものではないかもしれませんが…。

商社やOEM・ODM企業はいかがでしょうか?

丸山:スピード感、マーケット市場を捉える感覚、取引先や工場とやりとりするコミュニケーション力、コスト感などのビジネス感覚など、業務幅などに長けた方となると、必然的に同業からの採用が多くなります。大手アパレルでSC向けの経験を持つ方が、そのスピード感を評価されて商社に転職する例もありますが、仕事の進め方がまったく違うので、一から仕事を覚え直すくらいの覚悟は必要かもしれません。

大堀:商社やOEM・ODM企業は慢性的に人手不足なので、求人票に記載されたすべての条件を満たしていなかったり、多少のブランクがあったりしても、何かマッチする強みを持っていればチャレンジしやすいです。「この方のどういうところが当社で活かせるかな」とポジティブに見てもらいやすいので、ご自身の経験やスキルで勝負できるんです。

企業の業態によって求められるものは全然違うのですね

丸山:そのとおりです。仕事内容が全然違うため、求められるものも変わってくるのです。ご自身の転職目的やキャリアの志向性に合わせて、参考にしてみてください。


今回のまとめ

同じデザイナーでも業態ごとに採用傾向は違う!それぞれの特徴を捉えておきましょう。

セレクトショップ セレクト出身者に加え、OEM・ODMでセレクト向けにデザインしていた方はチャンスあり。
アパレル企業 求人は多くなく、また同じアパレル出身者を慎重に採用する傾向にあり。
コレクションブランド ブランドやデザイナーへの熱意と感性が一番!雑務も厭わず献身的にブランドのために動けるかがポイント。
商社・OEM・ODM企業 もっとも採用が活発化。人材不足のため多少スキル不足でもポジティブに採用してもらえる可能性も。

第2回は、デザイナー採用において重視されるポイントについてご紹介します!

第1回:デザイナーにおける企業の採用傾向は?
第2回:デザイナー採用において重視されるポイントは?
第3回:デザイナーが目指すキャリアとは?

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