株式会社ナイスクラップ「ピュアルセシン」デザイナー 高津さおりさんインタビュー（Fashion People＋ Women vol.05）

ファッション業界で活躍する様々な女性に焦点を当てた連載企画“Fashion People＋Women”。第5回目は、産休・育休期間を経て現在時短勤務でパルグループの株式会社ナイスクラップ「pual ce cin（ピュアルセシン）」のデザイナーとして活躍する高津さおりさんに、これまでのキャリアと、仕事と子育ての両立についてお話を伺いました。

まずは高津さんがデザイナーになったきっかけと、これまでのお仕事について教えてください。

服飾専門学校を卒業したあと、新卒でアパレルメーカーに入社し、デザイナーとして4年半経験しました。
振り返ると、そこで社会人としてのマナーやデザイナーとしての基礎を教えてもらえた経験が今すごく活きているなと思いますが、当時は「自分の年齢に近いブランドで経験したい」という気持ちが強くて、ナイスクラップに転職しました。
入社してからは、ピュアルセシンが立ち上がりでまだ2店舗しかない頃から、売上が伸びてきて現在の21店舗に成長するまで、15年以上ずっと担当しています。

デザイナー歴がとても長いんですね。ずっと続けている中で、ライフイベントとの関わりや印象的な出来事はありましたか？

社会人になって1社目での経験、現在の会社に移ったこと、そして子どもが生まれたことの3つです。
とくに5年前に産休育休を取得して復職したことが1番大きな転機でした。現在は週に3日は17時までの時短勤務・残りの2日は定時まで、という働き方をしていますが、実際には帰りが遅くなってしまうこともあって…家族のサポートを受けながらなんとか続けられている状況です。

お子さんが生まれて、働き方や仕事に対する考え方はどんな風に変わったのでしょうか？

正直なところ余裕がなくて常に限界ギリギリなので（笑）、「とにかく効率良く！」ということを考えるようになりました。子どものお迎えの時間が決まっているので、帰りの時間から逆算して時間の割り振りを考えるようになって。なるべく1回で進むように一つ一つの仕事の精度を上げたり、チームとして成果を上げるためにデザイナーとしてできることってなんだろう、ということを考えたりするようになりました。
あとは、平日は時間がなかなか取れないので、土日に子供を連れて買い物に出る時に色んなお店を見に行って、歩いている人を見るようにしています。ブランドに常に新しさや変化を入れていくため、リサーチは欠かせません。

高津さんがそんなに頑張れるのはなぜでしょうか？また、今後の目標があれば教えてください。

お店の子たちが「可愛い！」と商品に共感してくれて、彼女たちが自信を持ってお客様に提案して、それが売上という数字で返ってきたときはやっぱり嬉しいです。
今が精いっぱいなのでなにか大きな目標がある…というわけではないのですが、仕事と子育ての両立をもっと上手くできるようになりたいです。大変なこともたくさんありますが、やっぱりこの仕事が好きなので、ここまで登ってきたことやこれまでの経験は無駄にはしたくないんですよ。

最後に、ともにファッション業界で働く女性にメッセージをいただけますか？

以前より働くママさんは増えてはきましたが、まだまだ子供ができて引退してしまう人って少なくはないと思います。今後もっともっと増えると良いなと思いますが、そのためには“働ける環境”があるだけでなく、自分自身の考え方も変えていかなければいけないですよね。

キャリアを積むのも子育てとの両立も、結局は自分次第なんです。いつでもどんなことにでも努力は欠かせないし、何事もコツコツと積み上げるのが一番です。私はそれを前職も含めてこれまでの経験の中で感じましたし、今なんとか両立できているのも、真面目にがんばって、技術面も精神面も成長できたからだと思っています。
今まさに子育て中の方、これから子育てとの両立を考えている方、きっとみなさん大変だとは思いますが、一緒にがんばっていきましょう！

高津さん、ありがとうございました！誰だっていつも全部が完璧なわけじゃない。素直に大変だと言えたり、悩んだりしている等身大の高津さんに勇気をいただきました。
Fashion People＋Womenでは、2017年もファッション業界で活躍する様々な女性たちにインタビューしてまいります。次回もお楽しみに。