Fashion★シゴトNEWS

2010.02.19

知って得するデザイナーの転職成功のカギ

大きく変化してきている企業の動き―正確な現状認識が転職のカギ?

  • 吉田:景気の低迷もあって、アパレルブランドはかなり淘汰されてきている感がありますね。そんななか、生き残りを賭けて各社の動きは大きく変化しています。従来生産を受けるだけだった商社系も、今は企画というソフトの部分から入り込むようになっていますし・・・。
  • 横田:企画は商社やOEMにアウトソーシングして店舗に力を入れ、「売る」ことに集中するというメーカーも増えていますよね。
  • 吉田:元気がいいのは何と言っても小売系。もともと企画の機能をもたない業態だからバイヤーやセレクターのようなものだけれど、店舗で経験を積んだ人材が、感覚で知っている「売れる」ものをチョイスして提供しているんだから実績は上がる。
  • 丸山:もう一度きちんとしたモノづくりに向き合おうと原点回帰しているメーカーはあるし、新ブランドを立ち上げる企業も少数ながら存在するけれど・・・。デザイナーのパイはやっぱり少なくなっている。求人動向を見ても、多いのは商社系、小売SPA系、OEMの企画など。マス向けだと商売が大きくなるから、求人もあるということでしょうね。
  • 大堀:メーカーからの求人もなくはないですが、そのほとんどが「もしいい人がいれば」という長期的な構え。
  • 横田:百貨店ブランドの求人も少ない。大企業ほど経済が悪いと動かなくなるから、仕方がないのかもしれませんが・・・。とにかくはっきり言えるのは、2~3年前とはあきらかに状況が変わったということ。転職を考えるにしても、まずはそれを念頭においておかなければなりませんね。

企業が求めるスキルは千差万別―ミスマッチを防ぐためにも"キャリアの棚卸し"を

  • 吉田:デザイナーに求められるスキルも変わってきているとは思いませんか?
  • 有賀:小売が強い今の状況下では、高いコスト意識とその管理能力も求められています。
  • 大堀:プラス、営業的な要素も。
  • 横田:OEM商社で企画を行うデザイナーなら、コミュニケーション能力も必要でしょう。自分のデザインを形と言葉で提案して、人を説得できることが重要なポイントになる。それから、布帛をやっていても縫製仕様書が書けるとか、具体的なモノづくりの方法を知っているデザイナーはどこでも重宝されます。
  • 吉田:モノづくり重視の某人気アパレルでは、コスト意識云々よりも良いデザイン画が描けるかどうかを重視しているし、小売系ならデザイン画に加えて仕様書が書けないとだめ。企業によっては、トワルチェックなどパタンナー的な作業も任せられることもあるし・・・。同じ「デザイナー」でも企業によって仕事の範囲が違うから、求められるスキルをしっかり確認しておく必要があるでしょうね。
  • 丸山:デザイナーはテイスト重視で転職を考えがちだけれど、前職と業務の範囲が違うとかなりたいへんな思いをしますよ。商品のテイストと業務内容、その2点で判断しないと失敗しかねない。
  • 横田:だからこそ、自分は何ができるのかを再認識するための"キャリアの棚卸し"は必須です。
  • 有賀:私たちキャリアコーディネーターも、この変化にきちんと対応していかなければなりませんよね。各企業の意向をしっかりヒアリングしておかないと、ミスマッチを起こしてしまう。デザイナーと企業、お互いの要求がぴったり合うことは少ないけれど、ある程度すり寄せができていれば内定にもつながると思います。

自身と企業を正確に見定め―「何がやれるか」にこだわりたい

  • 吉田:スキルから言えばメーカーが妥当と思われたとしても、人によっては商社やOEMのほうがデザイナーとして活きる場合も。ですから、思い込みやこだわりは捨てて、幅広く求人に目を通すようにしたほうがいいですね。
  • 丸山:そのとおり。大切なのはどこに属するかではなく、何をやれるかなんですから。
  • 横田:そういった意味でも、めざす企業についてじっくり研究することはとても重要になります。情報収集を怠る人は絶対NG。面接では必ずと言っていいほど店舗は見たか、どう思うかと聞かれるでしょう? そういう調査をしているといないとでは、雲泥の差があります。
  • 大堀:実際、店舗を見ないとわからないことは多いですしね。情報収集は基本中の基本だし、どれだけやっても悪いことはない。
  • 有賀:そのうえでブランドの良い点悪い点を客観的に捉え、自分の意見を言えることが大切。
  • 丸山:企業について熟知していれば、職歴書の書き方だって変わってきますよ。売上重視の企業なら数字についてを、モノづくり重視ならデザイン力をアピールすべき。
  • 横田:熱意も大切ではあるけれど、企業が知りたいのはその人が何をどれだけできるのかということ。充分な企業研究をしたうえで独自の提案を行い、自分ならこんな新しいことができると言えれば大きなパワーになります。
  • 吉田:今のデザイナーは求められる仕事の範囲が広過ぎるとは思うけれど、逆にそこまでできればかなり価値ある人材と言えるし、働きに見合った報酬も得ることができる。
  • 丸山:今の時代、自分の希望すべてを満たす転職をめざすというのは非現実的。求める要素の何割かを得るといったスタイルにシフトするべきと言えるでしょう。
  • 吉田:だからこそ、自身の転職の軸―何がしたいのか、どんなキャリアを積みたいかといったことをきちんと見定めておかないと。
  • 有賀:様変わりしている企業の姿と自分の力量を正確につかみ、広い視野をもって転職に向き合っていくことこそが成功の秘訣、ですね。
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