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2019.02.22

セミナー「母集団をどう作る!?2019年中途採用マーケット動向まとめ」レポート(第24回クリーデンス法人向けイベント)

クリーデンスでは去る2020年1月28日(火)、法人向けセミナー「母集団をどう作る!?2019年中途採用マーケット動向まとめ」を開催いたしました。
採用成功のためには、現在の転職市場動向を理解することが何より重要です。

本レポートを今後の採用活動にお役立ていただければ幸いです。


採用成功した企業がやっていることとは

厚生労働省が発表した最新の有効求人倍率は1.49倍。少しずつ低下しているとはいえ、依然として高い水準を保ち続けています。
その中で法人のお客さまからお寄せいただくことが多いのが、「母集団形成」に関するお悩みです。
解決のためには、各企業が転職市場動向のトレンドを理解したうえで対策を実行すること、意識を改革することが求められています。

下記は、2019年にクリーデンスを利用して採用した人数の企業別ランキングです。

[1位]国内セレクトA社/販売・デザイナー・MD・バイヤー・ECスタッフ
[2位]国内セレクトB社/販売・デザイナー・ECスタッフ・物流
[3位]国内セレクトC社/販売・ECスタッフ
[4位]インポートラグジュアリーD社/カスタマーサービス
[5位]国内セレクトE社/販売・デザイナー・パタンナー・生産管理

もちろんブランド力や業績の影響もありますが、採用成功のポイントはそれだけではありません。
いずれの企業でも、例えば面接方法の改善、選考期間の短縮、選考基準の緩和など、どの企業でも実現可能で効果的な、いくつかの手法を実践していました。


職種別に見る転職動向・採用成功のヒント

デザイナー

デザイナーの求人数は昨年対比で横ばい、求職者数は減少しました。
多くの企業では、即戦力を求めて選考期間を短縮しながらも厳選採用を行っています。

求職者の傾向としては、これまでと同様にブランドを優先する声はもちろん多いですが、労働時間や年収など、働く条件を重視する方も高まりつつあります。
その一つとして時短希望者やフリーランスの方が年々増えており、企業側でもフルタイム以外の雇用形態での採用を始めています。

パタンナー

パタンナーの求人数・求職者数は昨年対比でほぼ横ばいでしたが、長期的に見るとともに減少傾向にあります。
ベテラン層の求職者も多いことから、採用ニーズによって選考年齢を分けて考えるとスムーズでしょう。実際にポテンシャル採用から40代後半の即戦力採用まで、2019年は幅広い採用事例がありました。

なおパタンナー採用につきものの実技試験を、求職者の側では職場環境を見る機会ととらえています。当日は「見られている」という意識も忘れずにお持ちください。

MD

MDは就業人口が少ないこと、またブランドを作る重要なポジションであることから、育成を前提とした採用を検討している企業もあります。
また異業界への転職が可能な職種のため、アパレル・ファッション関連企業以外も競合となっており、結果的に求職者の給与重視傾向が高くなっています。

なお採用においては、企業ごとに業務内容が異なることも多いため、スキルの完全一致が少ないことを前提に、優先順位をつけてから選考するとスムーズです。あわせて入社後の不一致を防ぐためにも、選考過程では業務内容の詳細な確認をおすすめします。

生産管理

ASEANでの生産に向けた外国人採用や、経験・スキルを重視した時短勤務希望者の採用が増えた生産管理職。
即戦力人材の採用においては、年収や残業時間など、条件面を重視する転職者が多い傾向です。選考過程で就業条件や環境などを明確にお伝えしておくことが、スムーズな人材確保につながります。

その一方で経験の浅い求職者も多く、未経験でも応募可能なアシスタントクラスの求人には応募が殺到しています。語学力などある程度の条件を設けたうえで、ポテンシャル採用も検討すると効果的でしょう。

営業

異業界への転職が比較的容易な営業職。業界離れを要因の一つとして、求職者の数は昨年対比で減少しました。その中で各社とも人材の見極めに時間を要しており、結果的に平均選考日数は23日と、昨年比で5日増加しています。
その中でも、販売スタッフなど未経験から営業職にチャレンジしたい、という求職者が一定数いらっしゃいます。求める要素を明確にし、未経験採用も視野に入れると採用成功につながりやすいでしょう。

経験者採用では多くの求職者が年収を重視しているため、面接での期待値の提示や意向の醸成がより重要となります。

EC

EC関連の求人は昨年比257%と急増しました。
未経験者も応募できる求人や運用・ささげ業務のみのポジションなど、限定的なスキルを求める求人は減少傾向にあり、分析やシステム構築といった、より高度な専門スキルを求める求人が増えています。
それにともなって平均年収やオファー額は高水準となりました。

一方、求職者は105%と微増にとどまりました。増員の場合は経験者・未経験者両方の枠を設けて、部分的な育成も視野に入れるなど、効率的に採用活動を進めてください。

マーケティング・プレス・販促

デジタルシフトにともない、求人・求職者ともにウェブ専門性の向上を求める傾向が強くなっています。結果的に即戦力が欲しい企業とスキルアップしたい個人の間で、需給バランスが合っていないのが現状です。
プレス業務に関しても、紙からデジタルへのシフトという点では、経験者はまだ少ない印象です。

異業界からの転職のハードルが低くなったことも、デジタルシフトの影響の一つと言えます。アパレル業界の常識に縛られていない人材を求める企業もありますが、年収や感度の不一致から、実際の採用事例は多くはありません。

店長・販売

店長・販売などの店舗系職種は、求人の増加に求職者の数がともなっておらず、慢性的な人材不足の状況にあります。また業界を問わずに転職活動を行う求職者が多いのも、店長・販売職の特徴です。

その中で選考基準の緩和や雇用条件の改善を行うことはもちろんですが、選考期間を短縮すること、そのために効率的に進めることが最も重要でしょう。
例えば選考会の実施や、面接の見直しが効果的です。特に面接の場は、求職者の意向醸成に大きな影響をもたらすため、求職者だけでなく企業側にも面接力の向上が求められている状況です。


各社の取り組みは?

セミナーの後半はグループに分かれてディスカッションを行いました。
クリーデンスが主催するセミナーではお馴染みとなっているグループディスカッション、どのようなテーマであれ、日ごろは見えにくい他社の取り組みなどを聞くことができるため、毎回ご好評をいただいております。

各社とも採用に苦戦しているのは同様で、特にECに関連するポジションや、地方店舗を中心にする店長・販売職の採用で顕著とのこと。
その中でも採用成功に結び付いた施策として、選考基準の緩和や雇用条件の改善のほか、既存社員のリプレイス、採用イベントの実施、リファラル採用といった声があがっていました。
リファラル採用については単なる採用にとどまらず、社員がリファラル採用に積極的になれる、すなわち知人に紹介したくなるような会社づくりにもつながるものとして、各グループとも非常に盛り上がるディスカッションとなりました。

終了後のアンケートでも、他社との意見交換や課題の共有ができて良かった、というお声を多数頂戴しました。


クリーデンスでは、今後もこのようなセミナーや講演会を企画してまいります。
テーマや登壇者についてのリクエスト、内容についてのご意見がございましたらお気軽にご連絡ください。
次回セミナーにつきましても、詳細が決まりしだい、メールや当ウェブサイト等にてご案内させていただきます。

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