アパレル企業特集

2019.11.05

株式会社 Roseau Pensant(ロゾパンサン)

アパレル業界のデジタルマーケティングを牽引する
ロゾパンサンって一体どんな会社?!

消費者の変化や情報伝達の変化、表現の変化など、目まぐるしいスピードで様々なことが変化し続けている今の時代において、アパレル業界のデジタルマーケティングが、世の中の最前線に立っているとは言い難いかもしれません。その中で、驚くべきスピードで成長し続けている企業が、株式会社 Roseau Pensant(ロゾパンサン)です。
アパレル業界の各企業に対し、デジタルを核に総合的なビジネス支援を行うトータルマーケティングカンパニー、ロゾパンサン。どんなビジネスをしているのか?企業の強みは?アパレル業界経験者に期待したいことは?代表取締役の上原 英暢(かんばる ひでのぶ)さんにお話をお伺いしました。

今回、この方にお話を伺いました!

代表取締役

上原 英暢さん

営業統括本部長 松永 健士さん

新卒でデジタル領域の広告代理店に入社。ナショナルクライアントを担当し、広告戦略やコンテンツ立案などを多数手がける。その後、アパレル業界でのイベント企画などを経験する中で、アパレル業界におけるデジタル領域の弱さを痛感し、2012年12月、アパレル業界に向けたデジタルマーケティング支援企業、株式会社Roseau Pensant(ロゾパンサン)を設立。代表取締役として現在7期目を迎える。

8年前、デジタル領域に弱いアパレル業界で勝負しようと決めた理由

上原さんがロゾパンサンを設立した経緯をお聞かせください

設立は2012年12月。立ち上げ時は一人だったので、他の企業にない優位性を持ったビジネスをするにあたり、まず自分の何が武器になるかを考えました。
僕は新卒でWeb広告代理店で大手企業を担当し、売上最大化のための広告やコンテンツなどを総合的に企画提案していました。次の会社では、アパレル系のイベントをプロデュースしていました。それらの経験の中で感じたのは、アパレル業界において、デジタル領域が非常に弱いということでした。
この領域であれば、自分のデジタル領域における知見と、アパレル業界の感覚や繋がりなどを武器に、優位性を持って戦っていけるのではないか。今後EC比率が上がっていく中で、成長曲線を描きやすいマーケットであり、ニーズも増えてくるのではないか。と考えたことが決め手でした。

ご自身の武器を強みに戦えるマーケットを見つけた、ということですね

はい。元々ファッションは好きですが、どちらかというとその思いよりも、勝てるマーケットを考えてのことでした。当時のアパレル業界は、まだまだデジタル領域やマーケティングに掛けるコストは多くなく、マーケット規模も他業界と比べると大きくありませんでした。ということは、大手の代理店やコンサルティングファームは積極的に手を出さないはず。であれば自分がこれから入り込んで、無くてはならない存在になれるのではないか?そこに勝機があると考えたんです。


デジタルマーケティングを核に、ビジネス全般を“面”で支援する

2019年現在、7期目となりますが、現在の事業内容をお聞かせください

当社は事業範囲が広いため、一概に「こういう業態です」と説明するのは難しいのですが、シンプルに言うと、主にアパレル企業に対して、デジタルマーケティングを核とした支援を行っています。マーケティングをはじめ、ビジネス設計や戦略的なコンサルティング、メディア制作なども含まれ、たとえば売上最大化に向けた総合的な支援や、ブランドの立ち上げ、それにまつわる一切のプロセス・運用の支援なども行っています。
また、現時点では投資枠になりますが、自社メディアを構築してインバウンド向けの旅行代理業も行っています。

少し分類して説明をすると、下記の図のようになります。

いわゆるデジタルマーケティングだけの会社ではないのですね。

そこが核ではあるのですが、それだけではないですよ、ということです。
一般的に、企業がマーケティングやクリエイティブを外注する際、広告代理店や制作会社に依頼します。そうすると、それぞれ広告のみ、制作のみで見ると最適化が叶うかもしれませんが、それはあくまで「点」でのものでしかなく、事業全体を「面」で見たときの投資対効果を見ると、必ずしも最適化されているとは限りません。

確かに各論では良くても、全体を見ると「こちらにもっとコストを掛けたらもっと売上が上がった」ということがあるかもしれません。

当社では、クライアントからご相談いただいたこと、たとえば「売上最大化」に対して、どこにどれだけコストを掛けて何をすれば成長曲線を描けるのか、総合的に設計した上で、具体的な施策をプランニングし、クリエイティブにまで落とし込む、一気通貫のご支援ができます。それが最大の強みです。
アパレル企業のデジタル領域に対し、対してここまで「面」で支援しているのは現在、当社のみだと思います。

おそらくアパレル業界で働く多くの方にとって、あまり馴染みのないビジネスだと思います。具体例をいただくことは可能でしょうか?

ある企業が新規でオリジナルブランドを立ち上げることになり、スタートからご支援する機会をいただきました。クライアントは、素材調達や商品開発は得意だけれども、小売・マーケティング・ブランディングは未経験。デジタルマーケットの競争が激化する中、ものを作るだけではなく、自分たちで toC の売上を作っていかなければならないという課題をお持ちでした。

最初に行ったことは、タスクの洗い出しと役割分担です。事業計画・ブランディング・商品・マーケティング・サイト制作・運営など、事業を進めるにあたって必要な項目を書き出し、それらに対する業務レベルのタスクを洗い出しました。それをもとに、どのタスクを誰が担当するか、クライアントと当社で役割分担し、一緒に進めていきました。

クライアントは、「この商材・素材を使って勝負したい」という思いをお持ちでしたので、まずはその素材を使って誰をターゲットに、どんなアイテムを作れば商品優位性を作れるかをマーケット分析しました。それが決まったら、どういう方向性でブランディングするか、誰をメインビジュアルに据え、誰がアートディレクションを手掛け、どんなECサイトにするか、どれくらいの商品を最初に展開し、予算をどう分配していくか、数値とビジュアル両方面からの具体的なプランニングを行いました。先日ローンチし、今も進行中ですが、商品開発以外のほとんどに携わらせていただています。

なるほど、「面で」のご支援がどういうものか、イメージがわきました。確かにすごく幅広いですね。

そうなんです。幅広いでしょう(笑)。
また別のクライアントでは、あるインフルエンサーをクリエイティブディレクターとしたブランドを立ち上げました。このプロジェクトはインフルエンサーの選定からスタートし、フォロワーの性別、年齢層、どういうものに反応し、どんなテイストのものが好きなのか、などを調査分析しました。そこから「こういうテイストのこういう商品を展開すればきっとニーズがあるはず」「こういう方向性でビジュアルを作り込めばターゲットに刺さるはず」と具体的なプランに落とし込み、定量的な計画と、定性的なアートディレクションの二軸でブランドを作り上げていきました。
その結果、ローンチ数日で計画以上の売上を作ることができ、またブランドアカウントは2日で1万何千ものフォロワーを広告なしでつかむことができました。

それらのプロジェクトを進行するには様々なプロフェッショナルの力が必要だと思います。体制はどのように組んでいるのですか?

案件によっても異なりますが、調査分析とコンサルティング、アートディレクション、撮影、EC制作、クリエイティブなど、各部署から必要な人材をアサインし、プロジェクトチームを作り、必要なフェーズで稼働します。各メンバーはそうしたプロジェクトを複数掛け持ちしながら日々の業務にあたっています。


差別化する上で数字だけでは実現できない、アートディレクションの重要性

デジタル領域において全方位的に強みをお持ちですが、会社として伸ばしていきたい、強化していきたいところはどこでしょうか?

実際に伸びていて、会社としてもより力を入れていきたいのが、デジタルにおけるアートディレクションです。
数字ロジックをもとにブランド戦略を立て、PDCAを回していくことは土台としてありますが、それをどうユーザーにアプローチするかとなると、そこにはビジュアルとしての説得力が必要です。
数字は過去の情報をもとに組み立てていくものなので、それだけでは拾いきれない要素をアートディレクションによって実現することで、他にはない、プラスアルファの価値を創造することができると考えています。

なるほど、ロジックを実現するためのアートディレクションの力が重要なのですね。

はい。加えて言うと、“デジタルにおける”というのがポイントです。
ひと昔前、雑誌が全盛期のときには、雑誌を中心に活躍する著名なアートディレクターが大勢いらっしゃいました。時は流れ、メディアはデジタル中心となり、個人がSNSなどを通じて自由に情報を発信できる時代になりました。
情報があふれかえる今の時代に必要なのは、特定のターゲットに対し、“刺さる情報”を的確に届けることです。そのためにはビジュアルコントロールが非常に重要で、そのアプローチの仕方やテクニックは、雑誌など紙媒体とはまったく違うものです。僕はここにすごく需要があると思っており、当社としても強化すべきポイントと捉えています。

視覚的アプローチは、アパレル業界において特に重要性を増しますね。

例えば、ECサイトと一言で言っても、自社ECやモール、ZOZOTOWNなどさまざまあり、それぞれのメディアごとに「こうすればヒット商品を生み出しやすい」というビジュアルのセオリーがあります。決して有名とは言えないECのみのブランドが急に3000万円の売上を作り上げる、そういうことが実際に起きています。その成功要因のひとつは明らかにビジュアル、特に写真の撮り方で、「どのように商品を見せるか」が売上を左右しているのは間違いありません。

ロゾパンサンにおいてはコミュニケーション戦略という部門がその役割を担っていますが、具体的にはどのような仕事をされているのでしょうか?

メディアやコンテンツなど、ユーザーとのタッチポイントの部分の戦略・企画立案と、実現に向けたディレクションが主な仕事です。
どのようなサイト構造にするか、SNSを使ってどうブランディングするか、コンテンツのPDCAをどう回していくかなどに加え、インフルエンサーやモデル、カメラマンのキャスティングも行いますし、撮影現場で実際にどんな写真を撮るかディレクションも行います。最近はさらにイベントを作ったりもしています。

戦略からディレクション、現場の立ち合いまで、コミュニケーション戦略だけでも幅広いのですね。

そうなんです。現在はそれらをコミュニケーションプランナーというポジションがすべて担当していますが、事業拡大に伴って業務が多岐にわたっていってしまい、やや煩雑になっているのが課題です。より専門性高く業務にあたれるよう、たとえばマーケティング戦略とアートディレクションを切り分けるなど、職種の切り分けや組織の見直しもしていきたいと考えています。

スタッフがロゾパンサンで働く魅力、やりがいはどういったところでしょうか?

先日、当社の新卒2年目の社員とクライアント先で打ち合わせをしていたときに、クライアントから「なぜロゾパンサンに入社したの?」と聞かれたんです。そのときにその彼が
「就職活動中に色んな業界を見た中で、たとえば広告業界の場合、広告のプロではあるけれども、広告のことしか触れられない、分からないというのはピンとこなかった。もっと全体の設計がしてみたい、その上で、『点』の経験も積んでプロフェッショナルになりたい、それができる会社を選んだ。」
と説明していました。ロゾパンサンで働くおもしろさを的確に表しているんじゃないかなと思います。

まさに「面」を見ながら「点」の仕事ができる環境ということですね

また別の者になりますが、アパレル業界出身のコミュニケーションプランナーは、もともと某アパレルブランドのファッションアイコン、カリスマ店員、モデルという3足のわらじを履いていました。
インスタグラムやブログなども大人気だったのですが、あるときふと、「自分のやっていることがブランド事業にどんな影響を与えているんだろう」ということが気になり、インフルエンサーという表舞台ではなく、事業を創りだす側で働きたいと、当社の門を叩きました。現在はアパレル業界での経験を存分に活かして、クライアントの事業成功の立役者として活躍しています。

アパレル業界からロゾパンサンへ転職し活躍している方は多いのでしょうか?

現時点ではまだあまりいないのですが、コミュニケーション戦略を強化していきたいという背景から、今後増やしていきます。そのためにも、アパレル業界をクライアントにこんな仕事をしている会社があるんだ、こういう形でアパレル業界やファッションと関われるんだ、ということを知っていただきたいです。


マニアックなほどに「ファッションが好き」という気持ちを
クライアントのビジネスに活かす仕事

ロゾパンサンで活躍する上で、上原さんがアパレル業界経験者に期待することは何でしょうか?

大きくは2点あります。まず、アパレルマーケットと商品の理解・知識があることです。たとえば販売のご経験者であれば、この時期にこういう商品が反応あるな、こういうアプローチをすれば売れるんだな、という感覚がありますよね。そういう知識を持っていると、より売上に貢献できるリアルな企画を練ることができます。

確かにクライアント理解があるのとないとので企画のクオリティは変わりますよね。もう一つはなんでしょうか?

アパレルに関する感覚を持っていることです。「これカッコイイよね」「こういうデザインいいよね」「これはあの層に響きそうだな」というセンスは、勉強して学ぶものではなく、ファッションが好きな思いや、実際にその現場で働くことで得られると僕は思っています。
おしゃれが好きな人はアパレル経験に関わらず大勢いますが、たとえばハイエンドなブランドを歴史から語れる方、カリスマ店員やバイヤーなどの遍歴からブランドを語れる方など、マニアックなくらいファッションが好きで、そこからもたらされる感性やアイデアに期待したいです。当社にとって、その知識や経験はとても貴重なのです。

アパレルでのセンスや感覚には強いけど、数字分析はあまり得意ではない、という方でも大丈夫でしょうか?

逆に言えば、数字やロジックが得意な者は、アパレルならではの感性を掴み切れません。一人で全方位に強みを持っている必要はないのです。そのためのプロジェクトチームなので、コンサルタントがプロジェクトの上流を担当して、具体的な企画立案とディレクションをコミュニケーションプランナーが担当する。役割分担をすることで、それぞれの強みを活かしていただきたいです。

アパレル業界の経験者で、どういう志向性を持った方がロゾパンサンに合うと思われますか?

あくまで一例ですが、お店でブログやSNSの運用を何となくやっていたけれどもっと深く知りたい、デジタル領域の成長やユーザーの変化について関わってみたい、ブランドを成長させるためのクリエイティブを生み出したい、といった志向を持った方は、当社でご活躍いただけると思います。当社でお任せする業務の経験はなくても、そこへの興味・関心の高い方であれば歓迎します。

今後ロゾパンサンが目指している成長の姿を差し支えない範囲でお聞かせください。

会社全体では、アパレル以外の領域や、BtoB 以外のビジネスも伸ばしていきます。
アパレル業界へのビジネスに関しては、デジタルを核としたマーケティング支援会社として、近い将来、日本No1になりたいです。総合力では、競合がいないという意味で既にNo1かもしれませんが、コンサルティング・マーケティング・構築・広告など、各論においてもそれぞれがアパレル業界におけるNo1になっているのが理想です。組織を強くして、社員一人ひとりもスキルアップしていくことで、それは遠からず実現できると考えています。

最後に、アパレル業界の方々にメッセージをお願いします。

ロゾパンサンでは様々なクライアントのご要望にお応えしていますが、たとえばブランドをゼロから作る上での事業戦略から具体的な実施フェーズまで、そのすべてに関われることなど、そうそうできる仕事ではありません。そうした貴重な経験ができることが、ロゾパンサンの一番の魅力ではないかと思います。

「ファッションが好き」「アパレル業界を何とかしたい」という思いは、アパレル業界でしか叶えられないわけではありません。もう一歩踏み込んで、今の時代の変化や消費者の変化、情報伝達の変化、表現の変化、そういう “変化の最前線” に立ちながら、様々な企業やブランドをご支援していく。今後そんな目線を持った方々がたくさん出てくれば、デジタル後進国と言われる日本、そしてアパレル業界自体が、もっと良くなっていくんじゃないかと僕は思っています。

同じ志を持って、アパレル業界を良くしていきたいとお考えの方、ぜひロゾパンサンの一員になって、実現していただけると嬉しいです。

株株式会社 Roseau Pensant(ロゾパンサン)

株式会社 Roseau Pensant(ロゾパンサン)

事業内容 ビジネス開発支援事業
マーケティング支援事業
メディア事業
旅行代理事業
事業所 東京都港区六本木7-3-16
六本木インターナショナルアネックスビル4F
創業 2012年12月12日
代表者 代表取締役 上原 英暢
従業員数 50人(2019年11月現在)
資本金 1,000 万円

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