アパレル企業特集

2018.09.21

GLADD株式会社

“次世代のショッピング体験をデザインする”
フラッシュセールサイト「GLADD」のこれまでとこれから

期間限定でWebセールを行う“フラッシュセール”において、日本最大級の規模を誇る「GLADD(グラッド)」。2016年9月、「GLAMOUR-SALES(グラムール セールス)」からサービス名を変更、また2018年7月には競合他社であった「GILT(ギルト)」の日本事業を買収し、右肩上がりの成長を続けています。
今回はCEOの香取さんに、これまでの成長の背景やこれからの事業戦略、また香取さんご自身が長らく業務として携わっていたMD・バイヤーの仕事についてお伺いしてきました。

今回、この方にお話を伺いました!

CEO

香取 純一さん

CEO 香取 純一さん

ニューヨークの大学にてFashion Marketing&Managementを専攻。アパレル企業でのMD経験を経て、現在のGLADD株式会社の立上げに参画。創業メンバーとしてBuying&Merchandising部をリードしビジネススキームを構築してきた。2017年1月からは、渡辺サブリナ氏と共同COOに、同年11月からは共同CEOとして、GLADDグループを牽引している。

社名変更、GILTのM&Aを経て
ビジョン・ミッションをさらに体現する組織づくりへ

まずはGLADDの企業概要についてお聞かせください

GLADDは、ヨーロッパで発祥し急成長をとげたフラッシュセールスを日本仕様にアレンジしてビジネス展開しているサービスです。「Design Next Shopping Experience - 次世代のショッピング体験をデザインする」をミッションに、「No.1 Brand Inventories Solutions - No.1ブランド在庫ソリューション」をビジョンに掲げて、お客さまとブランド双方にとって大きなメリットを生み出すサービスを目指しています。
そのミッション・ビジョンを追求していった結果として、2016年にサービス名・社名の変更を、2018年にGILT社のM&Aを行いました。

社名変更やM&Aの背景はどういったものだったのでしょうか?

「GLAMOUR-SALES(グラムール セールス)」は女性向けを意識しロゴをデザインし、30~40代女性を中心にユーザーを拡大することはできたのですが、逆に言えばそれ以上広がらず、みずからターゲットを狭めてしまっていました。また、テレビCMなどを打ち出す際に「グラムール セールス」は長くて覚えにくかったので、幅広い層の方々に楽しんでいただけるようサービス名と社名を「GLADD(グラッド)」と短く、ロゴもモノトーンでシンプルなデザインに変更しました。

GILTについては、同じビジネスモデルではあるのですが、それぞれに強みがあって補完しあえるところが大きく3つありました。ひとつは取り扱う商品の価格帯で、GLADDと比べGILTはより高価格帯商品に強みを持っていたので、両サービスでほとんどのブランドを網羅できるという点。二つ目は、GILTは男性ユーザー割合がGLADDよりも高く、幅広い層に楽しんでいただけるという点。最後は、ブランドに対する提案の幅が広がりベストソリューションをご提案できるという点です。

最後のブランドに対する提案の幅というのは具体的にはどういうことでしょうか?

ブランドにとってGLADDをご利用いただく最大のメリットは在庫消化です。お取引のパターンとしては委託と買取の2種類があり、いち早く在庫を消化したい場合は買取、セレクトショップに卸すように計画的に販売したい場合は委託といった形で、ブランドの状況に応じてお取引をするのがベストです。GLADDは90%以上が委託でのお取引、一方のGILTは買取割合が40%ほどあったので、ここでシナジー効果を生むことができると考えました。

お互いの強みを補完しあうということですね

その通りです。ブランドに対してベストソリューションがご提案できれば、GLADD、GILTともにサービスの質が上がります。具体的にはより良い商品をより多く取り扱うことができ、それはすなわち、消費者のみなさまにとっても大きなメリットになると考えています。

GLADDとGILTはいずれ1サービスに統合されるのでしょうか?

現在GLADDは会員数260万人、GILTは240万人ですが、オーバーラップしているのは20%ほど。どちらのサービスにもファンの方々が多数いらっしゃいますので、基本的には両サービスとも残し、お客さまの購買体験をそれぞれ最適化していこうと考えています。
具体的には、それぞれのサービスが持つ特徴、たとえば掲載するブランドの区別であったり、同じブランドでも商品を変えたり、サイト・アプリのUI・UX(※)に違いをつけたりすることで差別化を図っていきます。お客さまにとっては、いい商品をオトクな価格で買えるというのがベストな体験なわけですから、それを突き詰めていく。イメージとしてはショッピングビルに行くか百貨店に行くか、といった違いですね。


UI:User Interface(ユーザーインターフェイス)の略。製品やサービス等においてユーザーが実際に目で見て触れる部分のすべてを指します。
UX:User Experience(ユーザーエクスペリエンス)の略。ユーザーが製品やサービスを使うことによって得られる体験を指します。デザインが良い、写真が大きくて分かりやすい、注文したらすぐ届いた、といったものはすべて「体験」であり、UIはUXの一部といえます。


GLADDのMD・バイヤーはアパレルのそれとは大きく異なる
ただ、これまでの経験が必ず役に立つ

ブランド、つまり法人に対するベストソリューションを提案するのがMDやバイヤーだと思いますが、いわゆるアパレルのMD・バイヤーとは仕事内容も大きく異なると思います。具体的な仕事内容を教えてください

新しいブランドの開拓を行うのがバイヤーの役割です。GLADDもGILTも自社開発商品を持たない、いわばWeb上のセレクトショップなので、扱うブランドや商品によって当社のブランディングが形成されます。どのブランドを開拓するかによって当社の価値に繋がる重要な役割です。具体的には新規開拓したいブランドへヒアリングし、課題解決のために当社としてできることをビジネスプランとしてご提案し、お取引に繋げます。
MDは、開拓したブランドにとって利益最大化する具体的なプランを作り、運用していくのが仕事です。

企業のどんな課題を解決できるのでしょうか?

一番はやっぱり在庫消化ですね。そこからスタートして一定の売上がついてくると、今度はそれをどう伸ばしていこうかという話になってきます。ユーザーへの訴求方法、たとえば商品の見せ方だったりバナーデザインだったりプロモーションだったりといったことを一緒に考えて実現しています。

GLADDもGILTもかなりの数のブランドを扱っていますが、MD一人あたりでどれだけのブランドを担当しているのでしょうか?

GLADDでは約5000、GILTは約3000のブランドを取り扱っており、重複もあるので合計で約7000ブランドとのお取引があります。すべてのブランドが同時に稼働しているわけではないので、月間でみるとMD一人あたり50から100ブランドほどを担当します。
現在はGLADDとGILTそれぞれの専任MDが付いていますが、近い将来、すべてのMDがGLADDとGILTどちらも扱えるようにし、ブランドや課題に対してどちらのサービスがベストか、商品をどう出しわけるのか、といったことをご提案できるように整備していきます。一元管理することによって一人あたりの担当ブランド数が少し減る分、より幅広いご提案ができるようになります。

こうやってお伺いするとやはりアパレルのMD・バイヤーとは全然業務が違いますね。前職ではどういった仕事をしている方が多いですか?

基本的には、ブランド側のMDやバイヤー経験者が多いですね。もちろん仕事内容は全然違いますので、ゼロから経験を積んでいくと捉えていただくのが良いと思っています。

ゼロベースであれば、アパレル経験はそこまで問わないのでは?とも感じたのですが、やはりMDやバイヤーとの親和性は高いのでしょうか?

業務自体はゼロベースなのですが、そうではない重要な要素もありまして。
たとえば当社ならではのシステムやエクセルの使い方、ビジネスモデルに即したお客さまとの接し方、課題解決の考え方などはゼロベースで覚えていくことができますし、教えられる先輩社員も大勢います。
一方で、ファッション業界のビジネスや知識、ファッションアイテムを買うお客さまの理解度などは、当社ではなかなか教えることはできません。僕もアパレルのMD出身で、そのときの経験や感覚が活きていると感じることが多いんです。

どういった業務でそう感じますか?

あくまで一例ですが。たとえば「分析方法」自体は当社での経験を経て身に付けられますが、「どのデータをかけ合わせればどのような意味合いを見いだせるか」といったことは、アパレル業界やリテールの知識が役に立ちます。また、ブランドとのやり取りをする中で、アパレルの知識があることでスムーズにコミュニケーションが取れたり、いち早く信頼を得られたりといった強みもあります。
アパレル経験がないとできない仕事ではありませんが、あるとよりその経験を活かせるんです。

香取さんご自身もアパレル出身とのことですが、GLADDで働くおもしろさややりがいは何でしょうか?

一番は新しいことにチャレンジできることでしょうか。
僕自身、同じことを繰り返し続ける仕事が苦手なんですよ。インターネットやITの世界は常に新しい技術がどんどん出てきますので、それに伴って新しい知識とスキルを身に付け、新しい手法、新しいアイデア、新しい仕掛け、新しいプロモーションを打ち出していかないといけません。しかもそのスピードがとても速い。自分には合っているフィールドだと感じていますし、仕事に対し同様の考えを持っている方にとってはやりがいを感じていただけると思います。

アパレル経験を経てご入社されてくる方も、新しいチャレンジを求めてという方が多いのでしょうか?

きっかけは、漠然としたECやWebサービスへの期待ではないかと思います。ファッション業界にいる方は少なからず未来への不安や厳しさを感じているんじゃないかと思いますが、その中で何ができるか、どのような価値発揮ができるかと考えたときに、新しいビジネスモデルやEC業界で得られる新しいMDスキルに興味を持って応募いただくことが多いですね。


新しい価値観と真摯に向き合い、目標を達成するために行動することを楽しむ

社員の皆さんに共通する考え方や仕事に対するマインドなどはありますか?

ほとんどが中途採用のため、キャリアを積んで入社される方が多く、自立した社員が多いです。変化に受け身ではなく、自ら変化を起こす人が活躍しています。
マインド面に関しては、社風が異なる2社が一緒になるタイミングであるため、軸となるカルチャーを会社として作っていきたいと考えています。両社とも、もともと持っていたのはスタートアップカルチャーでしたが、時間を経てビジネス規模が拡大し、社員も増えるにつれ、マインドセットに時間がかかるようになってきました。これを機にもう一度、自分たちの大切なものは何なのか、目標に向けてどう働きかけていくのかといったことを言語化し、会社の成長と、個人の成長をしっかりリンクさせていきたいですね。

今後の事業戦略についてお聞かせください

冒頭でもお話したとおり、直近の大きなミッションはグループの統合です。お互いのベストプラクティスを取り入れながら、より強度の高い組織づくりをしていきます。
もう少し先の事業戦略ですと、2020年~2021年にむけてIPOを目指していきます。広くファッション業界のブランドが持つ課題を、“Tech”という部分で解決しながら社会に対して貢献し、継続的な成長をしていくための手段の一つとして決断しました。そのためにも収益をしっかり安定させ、組織の整備をしていかなければなりません。GLADDに関しては以前より監査法人に入っていただいているので、今後はそれをグループ全体に適応させ、企業に関わるすべてのステークホルダーに貢献できる組織にしていきます。

最後に、新しいGLADDとGILTの成長に向けて求める人物像をお聞かせください

どの仕事にしても共通して求めるのは、目標を達成するためにチームや会社に貢献できる行動ができること、そうした仕事に対してやりがいを感じられることです。それはすなわち、新しいことにチャレンジし、それを楽しめるかということです。

ビジネスをしていると、不確かな状況の中で大小さまざまなことを判断していかなければなりません。
局所的にこれは良いね、これは良くないね、ほかにもこんな方法があるんじゃない?といったことまでは言えても、問題を整理し本質的な課題を定義することは決して簡単ではありません。曖昧な状況の中でも問題を整理し新しい施策に挑戦し続けることが重要です。

そのジャッジは、時にはこれまでの価値観を揺るがすものかもしれません。
たとえばファッション業界で働く多くの方がスキルとして自信を持っているであろう、感性やセンス。一見あいまいなものでも、その裏には必ずロジックがあり、それを仕組化して自動化できる時代になりました。それを目の当たりにしたときに、その現実を受け止めて自分と真摯に向き合うことができるか。自動化できる部分をシステムに任せた上で、新しいスキルの習得を目指せるか。それができれば、さらなる成長につながるはずです。

アパレル業界での仕事とは、価値観も考え方も大きく変えていかなければなりません。
そういう環境の中で変化していくおもしろさや、チームや会社の目標に向けて動いて成果を出すことを楽しいと思える方と出会えることを楽しみにしています。

GLADD株式会社

GLADD株式会社

事業内容 フラッシュセールサイト「GLADD」の企画・開発・運営
事業所 本社:東京都中央区八丁堀2丁目20番8号 八丁堀綜通ビル4階
設立 2009年3月24日
代表者 代表取締役 アラン・スラス
従業員数 221名(2018年9月現在)
資本金 1億円

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