アパレル企業特集

2018.09.07

AULA、AULA AILA(株式会社コードナイン)

より良いクリエイション環境でリスタートしたコードナイン
「AULA」「AULA AILA」をファンのもとへ届けたい

2018年、東京レストランホールディングス株式会社の傘下となり、リスタートを果たしたコードナイン。今回を機に、2年間休止していた「AULA AILA」が2018年秋冬より復活するとあって、ファンの方々にとっては喜びもひとしおではないでしょうか。今回はそんなコードナインより、クリエイティブ・ディレクターの川島幸美さんにインタビュー。これまでの組織やブランド、ものづくりに関して、変わったこと、変わらないこと、目指していることなどをお伺いしました。

新組織ではクリエイションに集中できる環境を整備

まずは新生コードナインとしてのリスタートおめでとうございます。会社として色々あったと思いますが、どんな変化がありましたか?

株式会社コードナイン設立当初は一人だったので企画、生産、プレス、など一連の流れをこなしていました。ブランドの成長と共にスタッフも増え3つのブランドを同時に企画する時期もあり、私自身クリエーションに集中する時間がどうしても長くなっていました。本来であれば、その段階で経営側面をサポートする人材を入れるべきだったと思います。アパレル業界を取り巻く環境が変化し、昨年2017年に民事再生法の適応を申請することになりました。

ありがたいことに、ブランドやクリエイションを惜しんでくださるお取引さまやファンの方も多数いらっしゃり、また私自身のクリエイションを表現する場としても、ブランドを継続したい思いは強くありました。今回、その思いに共感してくださるパートナー企業を得ることができ、新生コードナインとして再出発しました。

今まで業務を兼任している部署もあったのですが、新組織ではMDやデザイナー、生産管理、Web、営業と目標をより明確に数値化し、そこに対してしっかり責任を持って進められるような組織づくりを行いました。また経営についても、以前は私が代表とデザイナーを兼務していましたが、現在は一緒にブランド戦略を相談しながら進める社長が先月から就任し、私はクリエイティブ・ディレクターとして、よりクリエイションに集中できるようになりました。現在は全10名で「AULA」に加え、休止していた「AULA AILA」を2018年秋冬シーズンより復活させ、2ブランドを運営しています。

川島さんはもちろん、スタッフの方々もご自身の業務に集中できる環境に変化したのですね

はい。余計な兼務がなくなったことで業務がシンプルになり、残業や休日・休暇なども大幅に改善することができています。仕事以外のプライベートな時間も楽しく過ごせるライフスタイルでないと、クリエイティブにも影響してしまいますし、生産性も落ちてしまいます。ですので、早く帰って週末はお休みを取って、プライベートもしっかり充実させて欲しいと思っています。遊びやリラックスした時間からアイデアがひらめくということも多々ありますからね。


展示会・ポップアップショップでは早くも追加発注や完売が

次に、ブランドについてお伺いします。まずは「AULA AILA」についてコンセプトや方向性などについてお聞かせください。

「AULA AILA」は、立ち上げ当初から、「マニッシュ」「フェミニン」「モード」「ストリート」の4つのカテゴリーを融合してひとつの世界観を創りあげているブランドでしたが、今回のリニューアルに際して、より時代の空気感と消費者のニーズに寄り添い、サプライチェーンの構築とMDの見直しを強化しています。加えて、より多くの方に楽しんでいただくため、働く女性のワードローブに加えやすいようなものも意識して取り入れています。ターゲットは25歳から35歳と以前より少し低めに設定し、想定客単価も18000円と少し低価格に落としています。この1年はECサイトと卸売に加え、ポップアップショップを展開してお客さまの反応を伺い、期中企画や追加発注などを行っているところです。

「AULA」についてはいかがでしょうか?

「AULA」は、「AULA AILA」のハイラインブランドとして立ち上げたブランドです。
「AULA AILA」の復活を機に、これまでの「AULA」よりももう少しターゲットを上げ、35歳から45歳の方を意識しています。想定客単価は28000円から30000円、その分、クオリティも見直し、引き続き100%メイドインジャパンで高品質なものづくりを行います。現在は新宿伊勢丹の2階に店舗がありますが「AULA」らしい他にはないデザインを求めて足を運んでくださるようなブランドを目指しています。

根底の世界観は共通しつつも、ターゲットを区別しているのですね。価格帯を変えることで、ものづくりにも違いがあるのでしょうか?

「AULA」は私が全アイテムをデザインし、素材開発から細部の仕様まですべてをクリエイションしています。
「AULA AILA」はチームで展開していて、まず私がクリエイティブ・ディレクターとして、「AULA」との兼ね合いも考えた上でシーズンテーマやテイスト、素材感、色までを落とし込み、MDが構成を組み立てます。それらをもとにデザイナーが具体的なデザインに落とし込み、最終デザイン会議で決定します。「AULA AILA」は手が届く価格で楽しんでいただきたいので、OEM企業には工場機能として協力をお願いし、日本と中国で生産しています。

7月には展示会も行われましたが、バイヤーさんや来場者の方々の反応はいかがでしたか?

展示会には多くの方が足を運んでくださって、バイイングだけでなく、個人でのお買い上げもこれまでにないくらいいただきました。特に「AULA AILA」は、“スポーツ”と“フェミニン”の掛け合わせをリーズナブルな価格で提案したところ、とても良い反応をいただきました。今回はカジュアルの比率が多かったので、オケージョンやオフィスでも楽しめるようなアイテムをこれから追加していく予定です。

「AULA」に関しては、すでに秋冬アイテムの追加注文が入っています。立ち上がりの秋冬アイテムに関しては、ブランドのオリジナリティがあるデザイン性の高い商品が売れる傾向にあるとのことで、「『AULA』の打ち出しアイテムの消化がいいので追加発注お願いします。」と卸先からご連絡をいただいています。

また、展示会ではないのですが2月に伊勢丹新宿店を30%増床したタイミングで、フーディーなどの限定アイテムを3型、200着限定で作りました。桐谷美玲さんや木下優樹菜さん、河北麻友子さんらその他多数の女優さんやモデルさんが着用してSNSにアップしてくれたのですごく評判を呼んで、あっという間に完売しました。ありがたいことに、昔から芸能やファッション業界の方々のファンも多いので、今後は懇意にしている方々とのコラボアイテムなども展開していきたいなと考えています。

新宿伊勢丹といえば、「AULA AILA」のポップアップも行っていましたね

はい。早くも完売アイテムが出始めたり、女性ファッション誌「SWEET」にもタイアップ記事を掲載し、売れ筋に合わせて追加生産も行っています。ポップアップでは、どういうものが求められているかをはかるバロメーターになるので、それを踏まえて良いところは継続し、改善が必要なところは軌道修正を行い、進めています。

2年を経ての復活ということで、待ちわびていたファンの方々も多かったでしょうね

「AULA AILA」が好きです、復活してください、といったファンの方々からのメッセージが大きなきっかけとなって、今回復活の決断ができました。ポップアップショップにも昔からのファンの方々がたくさん足を運んでくださいましたし、「AULA」とお買い回りしてくださった方も多くいらっしゃいました。
2年経つとマーケットも色々変わっていますが、たまたまショップを通りがかった方や、ロゴを見て気になって来てくださった方など、ポップアップをきっかけに「AULA AILA」を知って新たなファンになってくださる方も多く、手ごたえは感じています。

となれば、直営店のオープンも期待して良いでしょうか?想定している今後の事業展開についてお聞かせください

「AULA AILA」は自社ECサイトとZOZOTOWN、ELLE SHOP、卸、ポップアップを展開していて、合わせてこの1年で2億5000万円が目標、2年目には直営店を1店舗オープンできればと考えています。中長期的なプランとしては、関東2店舗、大阪2店舗、札幌・天神・名古屋に1店舗ずつのオープンができればと。ECや卸の拡大も踏まえ、5年後にトータル14億円の売上を目指しています。店舗は今の想定以上に増やすつもりはなく、あくまでECを強化するという方針があって、実際にアイテムを手に取ることができる、ショールーム的な意味も含めての空間になればと考えています。

「AULA」は、現時点で約3億円弱なので、新宿伊勢丹店に加えてもう一店舗、都内のどこかに出店し、最終的には大阪や横浜、名古屋、銀座など、6店舗ほどで、ECと卸を含めて5年後に8億円の売上を目指しています。


効率化を意識しつつも、洋服を作るプロセスと情熱は変わらない

先ほど、新生コードナインとなり、組織としての変化についてお話いただきましたが、ものづくりにおいて変わったことや、逆に変わらず大切にしていることはありますか?

私がもともとパタンナーだったこともあって、「洋服を作るプロセスは妥協しないで良いものづくりをしたい」というこだわりは変わりません。
一方で変わったことは効率化です。以前はすべての手配を自社で行っていて、手間もコストも掛かっていました。特にサンプル経費がコストを圧迫していたので、「AULA AILA」に関してはOEMの力を借りてサンプルや量産を手配することで、手間とコストを抑えることができています。

もうひとつ変わったのはアイテムの型数です。3か月に一度の展示会で、1回あたり50~60型程度。期中企画を追加するのでシーズン通してはもう少し多いですが、以前は100型以上も展開していたので、約半数程度に抑えています。現在はECや卸、直営店など、小売の規模の範囲内でできる型数を展開していますが、今後、直営店が増え、売上規模が拡大していけば、それに合わせて対応していきたいですね。

今後の課題として取り組んでいきたいのは、やはり地球の環境問題とサスティナブルな思考に根付いた活動です。大量生産されすぐに着れなくなる洋服ではなく、クオリティに重きを置いた長く大切に着れる環境に配慮した洋服。以前からエコ素材や、昔からの伝統を守るため職人による刺繍技術などを積極的に取り入れているのですが、今後はリサイクルや、染料による水の汚染についても考えていきたいと思っています。社会や環境を損なわずに、自分たちも豊かに発展していけるのが理想です。

地に足の付いたブランド運営ができているということですね

私が考える強い組織というのは、個々のスキルや経験を存分に発揮して、全員でブランドを動かし、ものを作る楽しさを分かち合える集団です。会社に利益をもたらす働きをすればそれだけ昇給もありますし、コードナインで働くことで仕事の楽しさを体感して、チームで目標を掲げて達成、成長できることが何よりうれしいことです。

大切なのは、自分の働きがブランドを作っているという自覚です。それがないと仕事の手ごたえも感じられませんし、喜びも分かち合えません。そのためには、一人ひとりが自身の仕事に誇りと責任を持って取り組む組織でなければなりません。ブランドの世界観や方向性、ものづくりのプロセスを共有することは前提ですが、その上で、個性やアイデア、工夫を形にして欲しいですし、やらされ仕事ではなく、自らどんどん発信し、行動して欲しいです。自分の手掛けた商品が世に出て、手に取って購入して下さった方が喜んでくれたら嬉しいじゃないですか。すごくシンプルな話ですけど、それがやりがいだと思うので、全員で「やったね!良かったね!」と言い合える楽しい職場にしたいですね。

全員で喜びを分かち合いたいから、責任を持って仕事をしよう、という考えがとても素敵ですね。これから新たな仲間としてお迎えする方へのメッセージとして、こんな人と働きたいという思いをお願いします

一番は情熱を持っている人ですね。
ファッションに対してだけでなく何事にも共通して言えることですが、好きで、学ぼうという意欲や、こういうことをしたいという志を持っている方っていいですよね。
好きであれば、多少スキルや経験が不足していたとしても、大きく成長できます。「ファッションが大好きだけどまだ経験が少なくて」という方は、勇気を出して出来る事からでいいので、一歩踏み出してみて欲しいです。その思いがあれば、必ず目標は達成できます。

確かに、同じ仕事をしていても好きな仕事をしているほうが成長は早いと感じます

そうですよね。私もブランドを立ち上げてここまで来ましたが、大好きなファッションというフィールドで適当にものを作るなんてことは絶対にできません。今の空気感をとらえて毎シーズン、一定の型数の洋服をデザインして世に送り出して、それを継続させていくというのは簡単なことではなく、常に自分との戦いです。折れそうなことも何度もありましたし、今回の民事再生からここまで来るのも大変でした。でも、ファッションが好きで、私の考える世界観に共感してくださる1人でも多くの女性に、幸せと勇気を勇気を伝えられたら嬉しいという思いがあったので、続けられました。

最近は特に、「好き!」よりも、お金や時間など、何かしら割り切って仕事をする人が増えているようですが、やっぱり仕事のやりがいや、プライベートの充実感を感じながら、毎日を過ごすのが幸せだと一番だと私は思います。世の中にはたくさん仕事がありますが、アパレル業界ほど、分かりやすく女子を輝かせてハッピーな気持ちにさせる仕事はないんじゃないかと思うんです。

もし、何が好きなのか、楽しいと感じるのか分からないという方がいらっしゃいましたら、まずは色んな経験を積んでみてください。その中で、何をしているときに集中できるか、楽しいと思えるか、大変でも頑張れるか、手ごたえを感じられるかを知って、それが実現できる仕事を見つけたら、自分を信じて可能性に突き進んでください。
この私の想いに共感してくださる方と一緒にお洋服を作れたらとても嬉しいです。

AULA、AULA AILA(株式会社コードナイン)

AULA、AULA AILA(株式会社コードナイン)

事業内容 自社ブランド「AULA(アウラ)」「AULA AILA」の
企画、製造、卸販売、小売
事業所 本社:東京都渋谷区神宮前6-34-20 原宿リージェンシー3階
設立 2005年04月
代表者 代表取締役 枳殻 孝志
従業員数 10名(2018年8月時点)
資本金 5,000万円

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