アパレル企業特集

2016.08.01

UNIQLO(株式会社ユニクロ)

グローバルSPA”ユニクロの挑戦
VMD現場の「リアル」に切り込む独占インタビュー

グローバルSPAとして進化を続けるユニクロ。
今回は「ブランドの顔」である店舗のビジュアルを支える、VMDに注目し、グローバルIMD部 JP VMDチームリーダー、西野泰代さんにお話を伺いました。VMDの役割や実業務、必要なスキル、やりがいなど、働く人々の等身大の姿をご覧ください!

店舗ビジュアルプランを国内外の店舗にトレーニングする

まず、ユニクロVMDの組織について教えてください。

ユニクロの本部組織の中に私の統括するVMDがあります。
店内装飾やウィンドウデザインを行うチーム、国内外の店舗にトレーニングを行いながら、MDと一緒にスタイリングの面から商品企画を行うチームなど、役割ごとにいくつかのチームがあり、国内・海外店舗のヘッドクオーターとして機能しています。

VMDの業務内容についてお聞かせください。

さまざまな部署やチームと一緒に立てたレイアウト、ウィンドウ、スタイリングプランを国内外の店舗に落とし込むのがVMDの仕事です。
ウィンドウや売り場は定期的に変更しているのですが、まずはしっかりした計画をはじめに立てます。MDやマーケティング、VMDなどが集まって、たとえば「ウルトラライトダウンをどうやって売るか」など、商品ごとに意見を出し合い、売り出し方、見せ方を検討します。そこにスタイリングチームが加わり、スタイリングと装飾のバランスを組み立て、トレーニングチームが店舗ビジュアルプランをもとに国内外に向けてトレーニングを行っています。

国やエリアに関わらず同じVMDなのですか?

ベースはどこも同じです。ただ国やエリアによっては季節や文化が違いますし、売上次第では販売計画の変更もあります。そんなときは現地のVMDと相談しながらローカライズされたプランを考えていきます。日々のコミュニケーションはテレビ会議が中心で、新店オープンの際などは出張もしますし、さまざまな業務をものすごいスピードで動かしているので、何かあった際には「明日からオーストラリア飛んで!」みたいなこともあります(笑)。


世界ナンバーワンリテーラーを目指し、
ユニクロ商品の魅力やこだわりを真摯に伝えていく

現在のユニクロにおける、VMDの役割とは何でしょうか?

ユニクロは2020年までに世界ナンバーワンリテーラーになる!という目標を掲げていて、それを店舗ビジュアルという立場から売上につなげていくのが私たちVMDの役割です。
そのために意識して取り組んでいるのが、「ユニクロ商品の持つ魅力を真摯に丁寧に伝えていく」です。

具体的には?

ユニクロ商品の一番の強みは、高品質なベーシック商品をリーズナブルに販売することです。
それを実現するため、研究を重ねてオリジナル素材を開発し、驚くほどの数のサンプルを作成し、襟の角度から裾の長さまでミリ単位で試行錯誤を重ね、膨大な工程を経てものづくりが行われています。
ただそのものづくりの“裏側”を店舗でどこまで伝えるかというと、実はこれまではさほど重視していませんでした。

それはなぜですか?

日本的な謙虚なスタンスといいますか…日本では十分に知名度もありますし、数々のヒット商品が生まれたこともあって、「本当に良い商品はちゃんと伝わるはず」という思いがあったんです。
ところが、海外店舗の拡大に伴い実感したのは、「海外では、伝わる『はず』で通じない」ということでした。
世界におけるユニクロはまだまだ日本ほど知名度も高くありませんし、何よりグローバルブランドがひしめいていて競争がケタ違いで、日本的なやり方では、お客さまに「ユニクロがこだわる商品の魅力」が伝わらなかったのです。

その課題を解決するためにどんな工夫をしたのでしょうか?

たとえば、ロンドンの311オックスフォードストリート店が2016年オープンする際、現地プロジェクトリーダーからの発案でデニムやシャツの工程、袖や襟のこまかな形のこだわりなどが伝わるようディスプレイしたところ、「こんなに安いのにここまでこだわっているなんて!」と大きな反響を呼びました。

お客さまに発見と驚き、感動を体感してもらうためには、もっともっと商品の魅力を真摯に伝えていかなければなりません。そのためには単にプランを店舗に落とし込むだけでなく、現地スタッフにしか分からない空気感や思いを汲みとり、一緒に作り上げていく必要があります。
成功事例ができれば日本に持ち帰って今後のプランニングに活かし、国内や他の国にも展開していく。その積み重ねがユニクロの成長に繋がっていくのだと考えています。

日本ではやはり銀座店が一番の見せ場ですか?

はい。銀座をはじめ、グローバル旗艦店から最新のプランニングが反映されています。
上の例以外だと、近年はベーシックなアイテムを組み合わせて、マリンテイストからオフィスカジュアル、コンサバまで無限大の楽しみ方を提案するため、スタイリング、つまりマネキンでの見せ方を増やしています。そのためには従来の什器では表現しきれず、新しい什器開発なども行っています。ユニクロの商品はどんどん進化していて、VMDもそれに合わせて表現の仕方を変えていますので、そのあたりも見ていただけると嬉しいですね。

左上から、メルボルン店(オーストラリア)、ソーホー ニューヨーク店(アメリカ)、311 オックスフォードストリート店(イギリス)、下段すべて上海グローバル旗艦店(中国) 。現場と密にコミュニケーションを取り、それぞれのエリア特性に合わせて個性を出すのもVMDの役割だ。
左上から、メルボルン店(オーストラリア)、ソーホー ニューヨーク店(アメリカ)、311 オックスフォードストリート店(イギリス)、下段すべて上海グローバル旗艦店(中国) 。現場と密にコミュニケーションを取り、それぞれのエリア特性に合わせて個性を出すのもVMDの役割だ。

売上意識、つまりお客さまのことを一番に考えられること

お話を伺っていると高いスキルや経験、広い視野が必要に感じたのですが、実際に働いている方々についてお聞かせください。

VMDチームにはユニクロ店舗出身スタッフも中途入社スタッフもいて、中途入社の中にもVMD経験者、内装デザイナー、建築関係など、さまざまなバックボーンを持ったスタッフが集まっています。VMDに必要なスキルすべてを一人ひとりが持っている必要はなくて、それぞれの得意分野を活かして、全員で大きなチャレンジをしていますので、足りないところを見て不安に思うのではなく、ユニクロのVMDで自分はどんな価値を発揮できるかな、と考えていただけると嬉しいです。

長所を活かしあって一つのゴールを目指す組織っていいですね。そんな中でも共通して持っているものはありますか?

ユニクロのVMDは全員が高い「売上意識」を持っています。
ここで言う売上意識というのは、単に数字の話ではなく、お客さまに対して真摯に向き合うことへの意識です。
どうすればお客さまに商品の魅力が伝わるか、スタイリングの魅力が伝わるか、手に取ってくださるか、買っていただけるか。まずはそこからスタートで、VMDの立場で日々試行錯誤し、トライ&エラーを繰り返しています。たとえば先週“A”というプランを実施してみたとして、うまくいかなかったら“Z”まで振り切ってまた試す。はじめの考えにしがみつかず、だめだったら次、と切り替える。
大きな課題があってもそうやって全員で乗り越えていくことができるチームです。

スキル面では、何か共通して必要なものはありますか?

洋服をどう見せるかの技術です。
マネキンのスタイリングというだけでなく、ウィンドウや店内で、どのようなコンセプトでどう売っていくかというストーリーを考えられる力が必要です。


日本から世界中へ新しい価値を発信していくことができる

さまざまな企業を経験してきた西野さんですが、ユニクロでしか味わえない魅力は何ですか?

日本発で、世界中の人々を幸せにしたい!もっと良くしていきたい!という大きな視野や夢を持てることです。

私は現職以前に外資企業をいくつか経験していますが、それらとユニクロの一番大きな違いは「日本発信の日本企業」だということです。
外資企業のいわゆる“ジャパン社”では、本国で決められたことを遂行するのが主な仕事でしたが、ユニクロは、ブランドや店舗のコアとなる部分を決めて世界各国に発信していくのが仕事で、役割が全然違います。
日本人として、日本企業で日本から世界に向けて価値を伝えていくというのは、他のどの企業にもない大きな魅力です。

また、何か新しいことをしたい、変えていきたい、というときのサポートが厚いのも魅力です。
どの仕事をしているスタッフも本当にみんな人が良くて、外資企業だとここまで手厚くしてくれないな、というところまでお互いにフォローし合いながら仕事を進めることができます。
日本企業ならではの細やかさとグローバル企業のパワフルさが両立していて、本当に働きやすい会社です。

ユニクロのVMDに興味を持ったという方へメッセージをお願いします。

めまぐるしく変化する市場やお客さまのニーズ、ライフスタイルに合わせて、会社も猛スピードで変化、革新しています。VMDの私たちも広い視野、新しい視点で様々なプロジェクトにチャレンジしていきたいです。

「服が好き」「ユニクロのビジネスに共感していてVMDという立場からより良くしていきたい」という方はぜひ、一緒に大きな夢を持って、ユニクロというブランドを世界に届けていきましょう。

VMDチームのみなさん。最前左より3番目が今回インタビューに答えてくださったVMDチームリーダーの西野さん。
VMDチームのみなさん。最前左より3番目が今回インタビューに答えてくださったVMDチームリーダーの西野さん。

西野さんにASK!

これまでのご経歴は?

外資企業のVMDを経て、2014年ユニクロに入社し、国内外のVMDを統括するポジションとなりました。この2年で組織も6名から約20名まで拡大し、ヘッドクオーターとしての役割を担っています。

ユニクロ転職のポイント?!私はココに惹かれて決めた!

入社前にユニクロで働く方々と何度かお話しする機会があり、「人がみな誠実」だと感じたのが一番のポイントでした。「失敗したらそれはそれで次に活かせ!」という風土を感じ、チャレンジできる会社だなと。これまでずっと外資企業ばかりを経験してきたので、日本企業で新しいことを生み出し、世界に発信していけるおもしろさも魅力的でした。

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UNIQLO(株式会社ユニクロ)

UNIQLO(株式会社ユニクロ)

事業内容 商品企画・生産・物流・販売までの自社一貫コントロールにより、高品質・低価格のカジュアルブランド「ユニクロ」を提供する製造小売業(SPA)
事業所 東京本部:東京都港区赤坂9丁目7番1号 ミッドタウン・タワー
代表者 代表取締役社長 柳井 正
設立 1974年9月
従業員数 43,112名(2015年8月時点)
資本金 10億円

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