アパレル企業特集

2016.05.23

ルトリオ アバハウス(株式会社アバハウスインターナショナル)

新業態コンセプトショップ「ルトリオ アバハウス」が
“当たり前の仕事”をくつがえす<前編>

アバハウスインターナショナルが展開する、新たなコンセプトショップ「LE TRIO ABAHOUSE(ルトリオ アバハウス)」。4月1日にリニューアルしたアトレ恵比寿にオープンするやいなや、早くも注目を集めています。
この新業態ショップは、同社にとって新たな、そして大きなチャレンジだったといいます。どんなチャレンジだったのか?プロジェクトのキーマン3名にお集まりいただき、誕生秘話や裏話をお伺いしました。前後半のボリュームたっぷりインタビューをぜひお楽しみください。

今回、この方にお話を伺いました!

業態開発部 部長

水上 雄一郎さん

業態開発部 部長 水上 雄一郎さん

新卒で入社後、店舗に配属されスタッフ、店長、マネージャー職を10年ほど経験。
その後本部に異動し、現在は店舗運営部にて、関東88店舗の数値責任者として、販売スタッフの採用から研修までを行うかたわら、業態開発部として「ルトリオ アバハウス」の責任者を兼務。

マーケティング部 プレス担当

林田 潤さん

マーケティング部 プレス担当 林田 潤さん

2014年に中途入社し、マーケティングセクションで主にメンズブランドを担当。
ブランディングおよび販売促進を主に行っており、「ルトリオ アバハウス」プロジェクトにも参画、メディアとのリレーションシップやモデル・芸能人・スタイリスト等との窓口も担当。

店舗運営統括部 ストアディレクター

松村 由紀さん

店舗運営統括部 ストアディレクター 松村 由紀さん

新卒で入社後、「ルージュ・ヴィフ」に配属されスタッフ、店長を経験。
「ルトリオ アバハウス」プロジェクトではストアディレクターとして、本部にて決めた方針や戦略を店舗に落とし込み、トータルディレクションを行う。現状はアトレ恵比寿店の店長サポートも兼務。

“上質な洋服を提案していく”という強みを活かすべく生まれたコンセプトショップ「ルトリオ アバハウス」

ではさっそくですが、「ルトリオ アバハウス」ができたきっかけについてお聞かせください。

水上:アバハウスインターナショナルはものづくりの会社としてスタートし、全国の直営店を展開するスタイルでやってきました。しかし近年、ライフスタイルやスポーツ、食など、さまざまな複合店が多数展開され、単一業態のみで今後の成長を見込むのは難しくなってきました。では当社ではどんな戦い方があるかと考えたとき、やはり得意分野である“オンとオフどちらも使える上品で上質な洋服を提案”していくことを軸にすべきだと初心に立ち返って、メンズ「ABAHOUSE(アバハウス)」とレディス「Rouge vif(ルージュ・ヴィフ)」を中心としたコンセプトショップ「LE TRIO ABAHOUSE(ルトリオ アバハウス)」が生まれました。
具体的に動き出したのは2014年冬で、すぐに「僕がやります」と手を挙げました。僕は旗を振るのが大好きな性分なんです(笑)。

2015年春には金沢に1号店をオープンし、その後も神戸、小倉、博多と地方店中心に展開されています。これには何か理由があったのでしょうか?

水上:トライアルを重ねながらしっかり体力をつけて一歩ずつ成功体験を経て成長させていくため、堅実な判断をしたというのがひとつです。また、当社の知名度が高くないエリアにあえて出店することで、どのような反応があるのかを見極めたいという思いもありました。

林田:中でも福岡は、トレンドに敏感である一方で人情味があり、一度ファンになっていただければ長いお付き合いができるという特徴があります。自分たちの力を試す場所としてはピッタリのエリアです。先日出店した博多店は、ちょうど「アミュプラザ博多」全館リニューアルのタイミングで、コアコンピタンスを明確に持っている高感度ショップが多数入っています。そんな中で「ルトリオ アバハウス」をどのように展開し、どのような提案をお客さまに行っていくのか、というのは大きなチャレンジだと考えています。

チャレンジの中では、さまざまなご苦労があったのではないでしょうか。

水上:大きなところでは「アバハウス」のリブランディングに伴う現場とのギャップがありました。
ちょうど今の30代後半くらいの方はピンとくるかもしれませんが、もともと「アバハウス」はモードでエッジのきいた洋服を展開しており、上質なメンズブランドとしてある程度の認知がありました。しかしその後、ファッション業界全体でカジュアル化が進み、「アバハウス」も時流に乗って軸をぶらしてしまったんです。その結果、ファンが根付かず、本当にアバハウスが好きで買ってくださるお客さまが減ってしまいました。
それを立て直すため、現在リブランディングを行っているのですが、現場まではまだまだ浸透できていないのが現状です。特に地方店はカジュアルが売れる傾向にあるのでギャップが生まれやすく、今後も時間をかけてすり合わせることが必要ですね。


当たり前だと思っていた常識をくつがえし、次々と新しいことが生まれた

「ルトリオ アバハウス」プロジェクトが始動してから出店までの期間がとても短い印象を受けましたが、どのように進めていったのでしょうか?

水上:当社は設立から30年以上、ブランドごとの縦割り組織で成り立っていて、それぞれ異なる文化や世界観、プライドがあります。そこに横串をさして新たな価値をつくるのが「ルトリオ アバハウス」のキモですから、色んな部署に声を掛けて集めて話し合うわけですが、まあ個性がぶつかり合って、意見を取りまとめるのが大変でした(笑)。正直なところ、「ルトリオ アバハウス」をやります、という話を社内に展開したときは賛否両論だったんですよ。

林田:ブランドごとにしっかり個性を持っているというのは当然のことで、そうあるべきだと僕は思っています。そんな中でバイタリティの塊である水上が旗を振ったことで、どんどん人を巻き込み、これまで当たり前だと思っていた常識をくつがえし、ブランドの垣根を越えた「ルトリオ アバハウス」のプロジェクトチームが自然とできあがっていったんです。

新しいこととは、たとえばどんなものが生まれたのでしょうか?

林田:たとえば当プロジェクトでは、いわゆる一般的な縦割りの組織ではなく、メンバーみんなが平等で、それぞれの役割がフラットに配置されました。また、松村が従事しているストアディレクターは、店長とは別で店舗の世界観をディレクションしていくという、今回初めてうまれたポジションであり、新たなキャリアパスが生まれました。
私はメンズブランドが主担当なので、これまでレディスのスタッフと絡むことはほとんどなかったのですが、「ルトリオ アバハウス」を機に仕事はもちろん、一緒に食事に行ったり、ぐっと距離が近くなって意見交換がしやすくなりました。
文字通り、新しい風が吹いて組織全体の風通しが良くなり、それが組織の強化、成長につながっているのを感じています。

店舗から「ルトリオ アバハウス」に参画することになった松村さんは、「ルトリオ アバハウス」についてどのように見ていましたか?

松村:私は新卒で入社してずっと「ルージュ・ヴィフ」の店舗で働いてきて、アトレ恵比寿店の立ち上げから3年間、店長をつとめてきました。「ルージュ・ヴィフ」では、レディスをもっと強化していきたいという思いがあって、それを目標に頑張っていたタイミングでのお話だったので、最初に聞いたときは正直、すぐには受け入れられませんでした。「えっ?」「なんですかそれ?」って何度も聞いたりして(笑)。
ただ、水上たちと話を重ねて、「やるんだ、決まったことなんだ」ということが分かったので、すぐに切り替えて新しい目標に向かって動き出しました。そうした変化に対してスピード感を持って動くことの重要性はこれまでの仕事の中でも感じていましたので、今は「ルトリオ アバハウス」でどうやって売上を上げていくかを全力で考えて動いています。

実際にスタートしてみて、「ルージュ・ヴィフ」と違うところはありますか?

松村:これまでレディスブランドのみでずっとやってきたので、とにかく初めてのことが多いですね。
メンズ商品も勉強中ですし、そもそも男性スタッフと働くこと自体が初めての経験で、何か話をしたときの反応も女性スタッフとはまた違い、新しい発見がたくさんあります。そういうひとつひとつの発見に対してやり方を見つけて実践していく、という日々を重ねているところです。

ルトリオ アバハウス(株式会社アバハウスインターナショナル)

ルトリオ アバハウス(株式会社アバハウスインターナショナル)

事業内容 メンズ・レディスウェア及び服飾雑貨の企画、製造、卸・小売業
事業所 本部:東京都渋谷区東1-26-20
設立 1986年2月
代表者 代表取締役社長 眞岸 洋一
従業員数 820名(2016年5月現在)
資本金 3,000万円

アパレル企業特集 最新記事

アパレル企業特集一覧