アパレル企業特集

2016.01.04

アパレル企業特集 :株式会社ジーユー(株式会社ファーストリテイリングのグループブランド)

日本一のファッションSPAから世界へ
チャレンジを重ね続けた10年<前編>

「ファッションを、もっと自由に。」というコンセプトを掲げ、創業10年にして国内最大規模のファッションSPAブランドのひとつとして見事な成長を遂げた「GU(ジーユー)」。今回は商品開発を担うR&D部の部長、矢治寿一氏に、GU成長の裏側についてお話を伺ってきました。


トライ&エラーを繰り返しながら「マストレンド」という軸を構築し、
手ごたえを感じ始めた

トライ&エラーを繰り返しながら「マストレンド」という軸を構築し、手ごたえを感じ始めた

客観的に見ていると、2012年ごろから若者向けにシフトして急成長を遂げたというイメージがありますが、その背景にはどのような動きがあったのでしょうか?

もう少しさかのぼっての話になりますが、2008年ごろまではファミリーカジュアルとして認識されており、2009年春に990円ジーンズで黒字化したのがひとつの転換期としてありました。ところがひも解いてみると、本当のGUのファンとして買ってくださっているお客さまは少なく、「ユニクロの廉価版」という見方のほうが強かったんです。

2012年ごろはまだそこから抜けられずもがいていた時期で、2013年までは様々なトライ&エラーを繰り返していました。そんな中、「どういうお客さまに対して提案していくのか」という店舗スタッフを含めた社内ディスカッションで、「私たち自身が手軽に買って着たいと思えるファッションブランドがない」という意見が多数出たんですね。そこで、単なる「ベーシックな安い服」ではなく、「誰もが気軽にファッションを楽しめるブランド」として提案していこうと腹をくくり、商品開発のやり方を根本的に変えていきました。

「トレンドファッション」というキーワードが出てきたのがちょうどその後くらいでしょうか。

はい。2014年春夏シーズンでその言葉を意図的に出していくようにしたのですが、実はこのシーズンは想定していた売れ方はしませんでした。トレンド=ヤングトレンドにフォーカスしてしまったことによって顧客層を狭めてしまったんです。売上自体は上がったものの、反省点の非常に多いシーズンでしたね。

それを踏まえてもう一度「GUをどんなブランドにしていきたい?」と考えたときに、「GUとして1兆円規模のブランドを目指すという大きな目標に対して、幅広いお客さまに幅広いエリアでファッションを提供する」というひとつの軸ができ、2014年秋冬シーズンはトレンドの分かりやすさ、テイストの広さを見直しました。トレンドのピラミッドがあるとすると、2014年春夏シーズンでは先の方に注力してしまったものを広くすそ野まで広げ、20代はもちろん30~40代のお客さまにも楽しんでいただけるようなマストレンドとベーシックを強化しました。そこから現在に繋がる展開がやっとスタートし始めました。自分たちで経営と一緒になり考え抜き、開発コンセプトを肉付けしていっているイメージです。

確かに2015年はガウチョやワイドパンツやニットなど、トレンド商品を気軽に楽しめる洋服がぐっと増えましたし、実際によく買うようになりました。

30~40代のお客さまから「買えるモノが増えた」というお声は本当によくいただくようになって、お客さまの層が広がり、期待値が高まってきたことを肌で感じられるようになってきました。

GUスタートから10年、チャレンジと試行錯誤を繰り返して、やっとここ1年ほどで一定の手ごたえが感じられるようになりました。
ですので、「若者向けの安い服のイメージで止まっている」「最近のGUって知らないな」という方がいらっしゃったら、ぜひ今のGUを見ていただきたいです!

GUとして今後特に力を入れていきたいところについてお聞かせください。

現在、お客さまの層が広がったことで一番成果が出ているのはウィメンズですが、まだまだ満足しておらず、あらゆる女性にとって「私も楽しめるブランド」というイメージを確固たるものにしていかなければなりません。
そのためにはマストレンドとして、「いつお店に足を運んでも新しい発見がある」と思っていただけるよう、絶え間なく商品をご提案し続ける仕組みが必要です。また、10~20代前半の若い方と比べて30~40代の方は品質にも一定のこだわりを持つ方が多いので、商品構成を考える上では品質アップも改善ポイントですし、もっともっと良くできる余地はあります。

トライ&エラーを繰り返してようやくひとつの成果が出始めているところなので、ものづくりをする上では非常に面白いフェーズだと思います。

メンズやキッズはいかがでしょうか?

これまでは主にウィメンズの話でしたが、メンズやキッズも今後の強化ポイントとして捉えています。

まずメンズについては、売上も一定ありますが、ウィメンズと比べるとまだまだ圧倒的にお客さまへの認知が足りないと感じています。商品開発としても、企画の方向性ややり方、組織の組み立て方など、さらなる見直しと改善が必要な状態で、本格的にはこれからです。伸びしろはたっぷりありますので、ウィメンズにも負けない、メンズならではの軸を構築して、GUの成長エンジンにしていきたいですね。

キッズは現在、110~150cmと狭い範囲で展開しているのですが、ベビー、トドラー、ジュニアと、本来需要のあるゾーンをお客さまにご提供できていません。ウィメンズの幅が広がり、30~40代のお客さまが増えたことで、キッズゾーンに対するお客さまの期待も高まっていますし、潜在的な需要も増えているはず。そういう意味では、今一番やることがたくさんあるカテゴリーですし、これからの成長幅もいちばん大きくなるのではと考えています。

株式会社ジーユー(株式会社ファーストリテイリングのグループブランド)

株式会社ジーユー(株式会社ファーストリテイリングのグループブランド)

事業内容 ジーユーブランドの衣料品・雑貨等の企画・生産・販売
事業所 本部:東京都港区赤坂9丁目7番1号 ミッドタウン・タワー
設立 2006年3月
代表者 代表取締役社長 柚木 治
従業員数 729名(2015年3月現在)
資本金 1,000万円

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